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各話ごと振り返る「不適切にも」の凄いポイント 最終回はルールを壊して未来を変えられるか

東洋経済オンライン / 2024年3月29日 15時30分

そして今回は、いつもの宮藤官九郎ファンにプラスして、「不適切」と「コンプライアンス」によって、人口が多く、消費も旺盛な世代で、かつ、最近の急激な時代の変化を生きづらく感じている層全般に『不適切にもほどがある!』は格好の癒やしとなった。さらに、未来に不安な人たちにも。

今、世界の未来には不安しかない。1986年からしばらくして一瞬のバブルがあったあとは、日本経済が失速し、失われた30年(40年?)がやってくる。天変地異に戦争と、明るい話題がまるでない。

何がいけなかったのか、昔はよかった、あるいはどこかでやり直せたら違っていたのではないか、と思う世代の切なく、それでも、絶え間ない笑いと、純子というみんなの娘の象徴のような、一点の曇りのない純度の高さに救われる。市郎を通して、絶対に守りたい大切なもの――誰にでもある17歳の頃に、青春に捧げる物語だ。

終盤、うるさがたのサカエが、息子キヨシの担任で、昭和で出会った、顔はいいのに内面がイマイチな、安森(中島歩)に抗えずどんどん惹かれていく。歴史を変えてはいけないのに、感情に抗えない。

頭でっかちな人間が理性を壊され本能が剥き出されていく。彼女のように、このドラマはタイムパラドックスのルールなんてぶち壊して、未来を変えてほしい。

最終回は、1988年から1993年にかけて活躍し(2022年に限定復活した)元男闘呼組の成田昭次がゲスト出演すると発表されている。彼が演じるのは昭和の人か、令和の人か、キーマンになるのか、伏線回収があるのか、まっさらな気持ちでテレビに向かうことができて本当にうれしい。まあゲスト発表時点で完全にまっさらではないのだが。

木俣 冬:コラムニスト

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