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王者・アパホテルの「北米進出」戦略が超スゴかった 逆輸入と世界戦略を視野に、欧米でブランド確立へ

東洋経済オンライン / 2024年3月31日 12時0分

【2024年4月2日15時35分追記】初出時、記載に誤りがあり、一部訂正いたしました。

「昭和まではカリスマ経営者が指示すれば、従業員全員が同じ方向にベクトルが向く時代でした。ですが令和の現代は、みんなベクトルがばらばらで、なかなか同じ方向に向きません。従業員の心の掌握が難しいのです。そのため、サッカー日本代表というコンテンツが必要でした」と元谷氏。

つまり、「サッカー日本代表のワールドカップ優勝をみんなで実現しよう。そのためには、継続的なスポンサードが必要だ。だから懸命に働き、共に応援しよう」というスローガンの下で一丸となるということだ。

そうすれば、アパの規模が今後2倍、3倍になったとしても、一枚岩になって事業を進められるのではないか、と元谷氏は考えている。

サッカー×アパホテルのコラボレーション

「アパは全国にあるためにローカルチームを推せませんが、サッカー日本代表なら地域は関係ありません。またサッカーはボール1個あればできる競技です。性別も障害の有無も越えて楽しむことができ、ファン人口も多いですよね。だからこそ一体感が得られやすいのです」(元谷氏)

スポンサードを始めてから、従業員に観戦チケットを無料で配布し、アパ会員にもプレゼントしている。どちらも倍率の高い抽選だが、サッカーを応援する気風を育て、これをアパのアイデンティティにしたい狙いだ。

さらには、いつかはカナダ代表をコーストがスポンサードするという夢も……。実はカナダは移民国家で、現地スタッフの出自は約30カ国に及ぶ。日本以上に一枚岩になりにくい環境なのだ。

2023年10月のアパの内定式では、サッカー日本代表の森保一監督から「アパと一緒に共闘しましょう」というビデオメッセージが放映された。「サッカーに理解のある社風だから」とアパを選んだ内定者も多かったという。今後も、サッカー×アパホテルのコラボレーションは、さまざまなシナジーを生むに違いない。

「そんなことも、どんなことも活用しながら前進していきます」と語った元谷氏の横顔には、巨大な家業を継ぎ、社長兼CEOとして国内外のグループ従業員、さらには関連企業の従業員の生活をも担う覚悟がにじんでいた。

笹間 聖子:フリーライター・編集者

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