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ハイラックスの伏兵「トライトン」の驚くべき実力 パジェロ、ランエボなき三菱の「攻めの一手」

東洋経済オンライン / 2024年4月2日 12時30分

リアサスペンションでは、いわゆる板バネであるリーフスプリングの枚数を縮小し、チューニングを大幅に変更している。

頭に浮かんだ「人馬一体」という言葉

急勾配の下り坂では、ヒルディセントコントロールとMUDモードを組みわせて安定した走りを見せてくれたし、地面に大きな“こぶ”が続くようなセクションでは、リアタイヤが完全に浮いた状態でもROCKモードであっさりと脱出した。

しかし、よほどの状況下になければ、こうした各種モードを使わなくても、4HのNORMALモードだけで走行条件をあまり気にせずに走り切れるだろう。

さらにいえば、オフロード走行をかなりハードにこなすときも、アクセル操作によってリア側の踏ん張りからハイペースが維持できる印象がある。今回は、そこまでのトライはしていないが、増岡氏のコメントがそれを裏付けている。

また、エンジンの騒音・振動も低レベルであり、ツインターボによりすべての回転域でトルク感があって、とても扱いやすい。

付け加えておくと、今回は新車装着タイヤでの試乗であった。それでも、これだけのパフォーマンスが実現できているのだ。

このように新型トライトンは、車体、サスペンション、エンジン、トランスファー機構、そしてソフトウェアによる各種モード設定のバランス、さらに左右輪間の駆動・制動力を最適制御するアクティブヨーコントロール(AYC)など、三菱の知見を総動員し、それがひとつにまとまっている。

今回のオフロードコースは、非日常的なシチュエーションだ。そんな走行条件でも、トライトンの車内では増岡氏と世間話ができるほどの安心感があった。

そんな中で筆者の頭にふと浮かんだ言葉は、「人馬一体」だ。

舞台をオンロードに移す。富士山麓の曲がりくねったワインディングや長めの直線路などを走行してみても、ピックアップトラックに乗っている感覚があまりない。

「まるでSUV」のような乗り心地とハンドリングで、これなら長時間ドライブも楽そうだ。

高速道路ならば2Hで走行し、一般路であれば常時4Hで走行することで安心感が増す。オンロードで4Hとしても、いわゆるオンセンターフィールによる壁がなくて違和感がない。これは、「直進安定性を強調したステアリングの操作感がない」という意味だ。

あまりにもスイスイとワイディング路を走り抜けていくので、「もっとステアリングのギア比をクイックにしてもよいのでは?」というワガママを言いたくなるほどだった。

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