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モスの「音楽レーベル」面白いけど厳しそうな理由 消費者のメリットは? バイト的にも魅力薄め?

東洋経済オンライン / 2024年4月2日 12時0分

「ヒア・ミュージック」は、2007年、アメリカで始まったレーベルで、コンコード・ミュージック・グループとタイアップした形で始まったもの。もともとは、スタバの店内BGMの事業から始まっていたが、ポール・マッカートニーのCDなどを発売し、一定の成功を収める。

しかし、本社自体の事業縮小に伴って、コンコード側に事業譲渡されて終焉してしまった。

今回の「モスレコーズ」とは若干異なる取り組みだが、飲食業と音楽事業とのタイアップは、なかなか成功例がない。

もちろんのことだが、モスバーガーに音楽ビジネスのノウハウはない。今回の取り組みでは、外部プロデューサーを起用しているとはいえ、思惑通りの成果につなげられるかは未知数だ。

一方で、こうした音楽とのタイアップが結果的に、顧客の誘引力となった例もある。

例えば、無印良品の店内BGMは、その1つだろう。「消費されるのではない、素朴な音楽」を掲げたBGMは、「無印良品」そのものの経営理念ともつながっていて人気で、2001年からCDが発売されているほか、各種サブスクサービスでも大きな人気を集めている。音楽レーベル自体が、無印良品という店舗のブランドを高めている好例だ。

今後、モスレコーズがどのような展開を迎えるかはわからない部分が多いが、無印良品における音楽ビジネスの戦略は1つのモデルケースとすることができるだろう。

さまざまな例を挙げながら、「モスレコーズ」の取り組みについて、興味深い点と懸念点を挙げてきた。

モスレコーズには大きな可能性があると思う。ミュージシャンの卵の支援を通じて、従業員のやる気を引き出し、顧客との関係性を深める機会にもなるだろう。一方で、音楽の力を経営に取り込むことは一朝一夕ではいかない。それは歴史が示していることだ。「モスレコーズ」がどのような展開を迎えるのか。オーディションの行方を含め、注目していきたい。

谷頭 和希:チェーンストア研究家・ライター

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