川勝氏だけじゃない「失言を繰り返す人」3つの特徴 上昇志向が強い人、自己肯定感が高い人も要注意
東洋経済オンライン / 2024年4月6日 7時30分
さらに、広聴広報課に苦情が入ったことを指摘されたときも、「それは(発言を報じた)読売新聞のせいだと思っています」「切り取られたんだと思いますね」などとメディアに責任転嫁。いずれも「(世間の風潮、誤解する人、メディアなどに)足を引っ張られたくない」という感情が人一倍強いと思わせる発言であり、上昇志向が強い人ほどこのような思考回路が見られます。
また、本来は自己肯定感の高い人ほど、異なる価値観の人に対して寛容になることができ、組織の中でポジティブな影響を与えられるものです。しかし、「自分を肯定しよう」という意識が強すぎる人は、それを優先するあまり、他者に不寛容な言動になってしまったというケースが少なくありません。
「ありのままの自分を肯定しよう」という考え方は素晴らしいものの、その意識が強くなりすぎて「自分のプライドを守ろう」という防衛意識につながったときは危険信号。「つい言いすぎてしまった」「余計なひと言を加えてしまった」などの失言につながりやすく、しかも自分への意識が高まった状態だけに、素直に謝罪できず誰かに責任転嫁してしまいがちです。川勝知事が辞任理由にリニア問題を持ち出したのは、この典型的なケースと言っていいでしょう。
これをビジネスパーソンに置き換えると、たとえば出世したあとやプロジェクトを成し遂げたあとなどは自己肯定感を過剰に意識しやすく、なかでも努力や才能への自負がある人は、それだけ失言のリスクが高いため注意が必要です。
話し好きでサービス精神がある
3つ目の意外な落とし穴は、話し好きでサービス精神があること。
これも本来はポジティブなことですが、「聞く人が引きつけられるような話をしよう」「わかりやすくなるようにたとえ話を入れよう」「何かためになる情報を入れよう」などの意識がある人は失言につながりやすいところがあります。
川勝知事は入庁式の際、ほぼ原稿などを読まず、新人たちを見て堂々と話していました。「威張る人がいたら反面教師にしてください。上にへつらってはいけない。下に威張らない。言葉づかいはとても大切です」とも語っていましたが、こちらは新人たちにとって参考になる言葉でしょう。
しかし、「引きつけるために」「わかりやすくするために」「ためになるように」などの意識が、無用なたとえ話や比較対象のピックアップにつながってしまうことがよくあります。事実、前述した川勝知事による過去の失言は、大半がそのような意識を感じさせるものでした。
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