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「昭和・平成に幸せだった人」が今後ラクになる発想 川勝知事辞任にも学ぶ"アップデート"はどこまで必要か

東洋経済オンライン / 2024年4月7日 7時20分

この発言自体は、一面の真実を突いている。全体の文脈を踏まえず、一部の発言を切り取ってメディアが報道することで、真意が歪めて伝えられてしまうことは、過去から頻繁に起きている。さらに、特定の場所で発した言葉であっても、メディアやSNSを通じて、独り歩きして、無関係な第三者にまで広く伝わってしまう時代だ。

影響力のある人間は、もはやそこまで考慮、配慮をして言動せねばならないということだ。

“アップデート”はそんなに難しいのか

中高年世代の地位のある人が「老害」という言葉で批判されることが多いが、実際にその人に会ってみると、意外に紳士的で側近からの人望が厚かったり、実務能力が非常に高かったりすることも多い(だからこそ、そこまでの地位に上り詰めることができたのだろう)。

にもかかわらず、時代にあわせて言動をアップデートできなかったがために、能力に見合った地位が得られなくなったり、その立場から追われてしまうということが多々ある。その傾向は変わるどころか、今後ますます加速していくに違いない。

人が問題を起こす理由には、大きくわけて下記の2つがある。

1.倫理意識や遵法意識が欠けている

2.価値観が所属する社会の価値観とずれている

1の場合は、地位や年齢にかかわらず問題を起こしてしまうものであるし、改善することもなかなか難しい。しかし、多くの“旧世代”の人たちが起こす問題は、2によるものだ。この場合は、価値観や行動をアップデートすることで、十分に対応が可能であるはずだ。

しかし、1970年代~1990年代後半に青春時代を送った現在の中高年層の世代は、現在よりもリベラルな環境の中で育ってきた。筆者の高校生の頃は、パンクロックや尾崎豊が流行ったり、反原発運動があったりと、大人が作った既成の価値観に反発しながら思春期を過ごしてきた。

いまのZ世代の若者と比べても、発想は自由で柔軟だったように思える(だからこそ、行き過ぎてしまうこともあるかもしれない)。彼らが行動をアップデートできないはずがないと思うし、実際に多くのその世代の人たちは、時代になんとか適合して生きている。

川勝知事にしても、価値観や行動がアップデートできていれば、ここまで批判を集めることはなかっただろう。

昭和時代が本当によかったはずがない

ドラマ「不適切にもほどがある!」では、主人公らが1986年(昭和61年)と2024年の2つの時代をタイムスリップする。ドラマを見た人の感想には「昔(昭和時代)はよかった」とする声、逆に現代を「生きづらい」「窮屈だ」という意見が多数見られた。

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