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イトーヨーカ堂「上場検討」がなんとも心配な理由 顧客理解が欠如したままで、本当にうまくいく?

東洋経済オンライン / 2024年4月12日 20時30分

あるいは、最近、人が多く集うのは「カフェ」。筆者はここ最近、特に都心周辺のカフェについてリサーチをしているが、休日となると、どこのカフェも行列ができている。

そういえば、ヨーカドーの敷地は大きい。いっそのこと、ワンフロア、すべてカフェにしてみるなどどうだろうか?

郊外のショッピングモールのフードコートに行くと、そこで中高生たちが、だべりながら勉強をしている様子などが見受けられる。彼らは店の回転率の点から言えば、優良顧客ではない。しかし、彼らの存在はショッピングモール全体に活気を与えている。「人がいる」ということの重要性。それを、カフェやフードコートは作れるはず。

ヨーカドーを15店舗見て思ったことの一つに、「とにかく人がいなくて寂しい」ことがあった。せっかく改革を進めたとしても、人がいなくて寂しさばかりが目立っては、運営はうまくいかない。

昨今、都心はカフェが全然足りていない。これは多くの人が感じていることだろう。先日、筆者が何気なく投じたポストに、驚くほど多くの共感が寄せられたのだが、時代が変化したということなのだろう。

ところで、現在、ヨーカドーは前述したアパレル大手・アダストリアとの協働を進めていて、そこではアパレルと食料品との買い回り需要を追求しているらしい。

いるらしいのだが、現状では衣料品コーナーと食料品コーナーがフロアとして分かれていることなども踏まえると、正直、この策がうまくいくかは、よくわからない。

それよりも、明らかに目的があって行く人が見込めるカフェを大胆に進出させてしまったほうが、店全体の活気が生まれるのではないだろうか。実際、アダストリアは「ニコアンド」でカフェ事業も展開している。

いっそ、カフェ事業とのコラボのほうが、光明があるのでは?と思ってしまうのは、私だけだろうか。

「楽しい」空間をヨーカドーに作ってほしい

勝手に、いろいろ書いてしまった。

でも、それぐらいの大胆な改革がない限り、「ヨーカドー」の「場所」としての優位性を生かすことはできないのではないか。

さらに、以上の提案は、GMSのあり方を否定するものかもしれない。

ただ、実質的にセブン&アイ・ホールディングスからも見離され、自律的な改革案を求められている今、ヨーカドーは、本当にこれまでの姿から脱皮しないといけないのかもしれない。

ちなみに、こんなめちゃくちゃ書いているが、私はヨーカドーファンである(じゃないと、23区の全店舗をめぐらない)。日本全国に、私のようなヨーカドーファンはいるはずで、きっと、その人たちは、ヨーカドーという空間で、楽しい体験をしてきたと思う。

だからこそ、ヨーカドーには、これからもさまざまな人を幸せにしてほしい。そして、「空間」という強みを生かせば、きっとヨーカドーはまだまだ人々を幸せにすることができると思う。そう思うからこそ、こんな記事を一本書いてしまうのだ。

谷頭 和希:チェーンストア研究家・ライター

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