日仏夫妻始めた「KYOTOGRAPHIE」国際的人気の訳 京都に縁がなかった2人が立ち上げた経緯
東洋経済オンライン / 2024年4月14日 11時40分
2007年に東京を訪れた際、レイボーズさんは妊娠しており、娘のエデンさんを日本で産みます。ところが、アフリカ人パートナーは出産後すぐにレイボーズさんのもとを去り、シングルマザーに。「とてもつらい時期でした」とレイボーズさんは振り返ります。
東日本大震災を経て京都に「移住」
そのまま東京に残りましたが、2011年3月11日に東日本大震災が発生。エデンさんはまだ3歳半で、彼女は多くのフランス人同様、原発問題、特に娘への放射能の影響をとても心配したと言います。そこで彼女はエデンさんを連れていったんフランスに戻って彼女を両親に預けて、『エル』誌の取材のために再び日本へ戻ります。取材は震災後の東北における母と子供たちの姿を描くものでした。
次にレイボーズさんは被爆者への取材のために、広島へ向かい、その帰りに訪れたのが京都でした。「日本には残りたいけれど東京は安全ではない」と感じたレイボーズさんはエデンさんをフランスから迎え入れ、ともに京都へ移住することを決めます。
その数カ月後、妖怪をテーマにしたプロジェクトで照明デザイナーの仲西さんと出会いました。当時、東京に住んでいた仲西さんも京都に住まいを移します。
「私はいつもカメラを持って1人で旅をしていました。まさに独り立ちしていたのです」とレイボーズさんは出会った頃のことを振り返ります。「でも、祐介と出会ってすぐに、一緒に仕事をすること、一緒に創作することはシンプルで自然なことになりました」。
今ではつねに一緒に「喧嘩しながら」創作活動に取り組んでいる、と仲西さんはいいます。「議論をできる相手だからこそきちんとした関係が構築できるし、お互いがやっていることが好きだというベースがあります」。
震災後しばらくは互いに3.11のトラウマを抱えながらも、せっかく新たな場に来たのだから、「当時タブー視されていたテーマを議論できる場を作りたかった」といいます。「私たちは、原発事故に関するメディアの取り上げ方や、これが非常に微妙で重要なテーマにもかかわらず、一般市民のための情報が不足していることに腹を立てていたのです」(レイボーズさん)。
写真は世界共通言語であると考えた2人は、KYOTOGRAPHIEを立ち会えることを決めます。さらに、外国人写真家を招聘することで、日本ではタブー視されているテーマについてのメッセージをよりシンプルに伝えることができるようになる、と考えました。今でもこの写真祭の出展者の7割は外国人写真家で、それゆえに海外でも知られる写真祭となったわけです。
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