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消費者の関心は企業の想いへの共感に変わった 所有の喜びだけではもうモノは売れない

東洋経済オンライン / 2024年4月15日 19時0分

過去と現在を比較し、これからのブランドに必要なことを整理してみると、以下の4点にまとめることができます。

➀インパクトからストーリーへ

2009年時点での、広告会社の仕事では、短期的なインパクトを求められることが主流でした。当時の広告の仕事は、クライアントのオリエンから始まることが多く、オリエン資料の中で「広告キャンペーンを実施し、来年の売上を何%上げたい」というように、いつまでに何を達成したいのかが、明確に提示されていました。

しかし、現在はこのように短期的な目標を提示するのではなく、長期的な目線でブランド価値をどう高めていくべきかという相談が増えています。

背景には3つ、理由があると捉えています。

その理由の1つは、ブランドとして一貫性の管理が必要になってきたことにあります。企業から発信するコンテンツの量が増えたため、一貫性を管理することが以前よりも難しくなりました。一時的なインパクトだけを求めると、長期的な目線で見た時にブランドイメージが崩れてしまう懸念があります。

2つ目は、ブランドの情報発信が、途切れることなく続く、長期的な活動に変わったことが要因として挙げられます。これまでは広告キャンペーンの時期を半年に1度、四半期ごとに1度、などに設定し、時期を区切って情報発信を行っていました。しかし、伝える手段が多様化したため、情報発信は一時期に限られた活動ではなく、毎日取り組むものに変わったのです。

3つ目には、お客様自身が情報を発信できるようになったため、クチコミの重要度が上がったことが挙げられます。共感してもらい、ブランドのファンになってもらうことができれば、クチコミによって大きな広がりが期待できるようになりました。ブランドのファンになってもらうためには、一時的なインパクトではなく、ブランドのストーリー(=思想)を愛してもらう必要があります。共感を得られるかどうかが、ブランドとして大切な要素になりました。

これらの変化を受けて、短期的なインパクトから、ブランドとしてのストーリーが求められるようになってきているのです。

「これがいい」と思ってもらえるか

➁独自性の可視化

1人ひとりの好みに合わせた多様な商品・サービスが生まれているため、無数のブランドの中で、埋もれないことが重要になりました。

かつては、そもそもの選択肢が少なかったため、お店に並べてもらうことができれば、ある程度の売上を見込むことができました。

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