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いなば食品「仰天リリース」意外と逃げ切れる背景 ただし、売上への影響小でも「恐れるべきこと」

東洋経済オンライン / 2024年4月15日 16時0分

愛猫家にはお馴染みの大ヒット商品「CIAOちゅ~る」。トラブルが売上減につながることはない?(写真:いなばペットフード公式ホームページより)

4月11日、テレビCMでお馴染みの猫用おやつ「CIAOちゅ~る」やツナ缶で有名な大手企業・いなば食品で新卒採用者の大量入社辞退が発生したと『週刊文春』が報じました。

【写真で見る】書き換えられた、いなば食品の「仰天リリース」

「近頃の若者はこらえ性が……」といなば食品に同情しかけたところで、併せて文春が報じた同社の社宅のオンボロぶりと、この報道に対する「ボロ家報道について」という身も蓋もない正式プレスリリースに目を疑いました。

上場はしていませんが、4000人以上の従業員を抱え、売上高1000憶円を超える大企業の対応とは思えません。このトラブル、そしてそこへの対応は同社の経営に影響するのか検証してみます。

「ボロ家」と自分で言ってしまう危機管理のなさ

文春報道が火を点けた、いなば食品のトラブル。それは新卒採用で静岡工場へ配属予定だった内定者の9割が入社を辞退したというもの。

私は20年ほどコンサルタントと大学教員の二足のわらじを履き続けていますが、就職活動を控えた学生に食品会社は今も昔も大人気です。インターネット就活が大繁盛している中、さらにコロナで学生の情報ルートが分散したことで、これまで以上に食品会社、特にいなば食品のような知名度の高い企業の人気は爆上がり状態となりました。

そのような中、人気業界で9割の入社辞退とは尋常ではありません。文春によれば、社宅としてその新入社員たちが住む予定の建物が相当な年代物だったと、写真付きで状態が報じられています。

学生時代にフロ無しアパートで一人暮らしをしていた私には、ちょっぴり懐かしい感じのレトロな社宅ですが、今の若者にとっては肝試しかドッキリ撮影かのような建物であり、「新しい社員寮が完成している」と言われて入社してきた彼らには相当に堪えたことでしょう。

文春はこれを「新入社員への“ボロ家ハラスメント”」と報じ、あまりなタイトルですが今回は納得してしまいました。

この大量入社辞退と超レトロな社宅問題について、翌12日にいなば食品は公式リリースを発表しました。そのタイトルは、「由比のボロ家報道について」。

エイプリルフールはとうに過ぎていますが、本当にこのタイトルのリリースが出たのです。しかし、この原稿を書いているリアルタイム(4月14日23時現在)にいなば食品のホームページを確認したところ、「由比のシェアハウス報道について」とタイトルが変えられていました。

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