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いなば食品「怪文書発表」がマズいこれだけの理由 迅速対応も「出さないほうがマシ」リリースで火に油

東洋経済オンライン / 2024年4月15日 19時30分

「ライトツナ」などで知られ、子会社の「CIAO(チャオ)ちゅ〜る」が大人気の「いなば食品」。「ボロ家」報道に反応したプレスリリースは、SNS上で「怪文書」と評された。何がマズかったのか?(写真:ss.pictures.ss/PIXTA/写真はイメージです)

缶詰などで知られる食品メーカー「いなば食品」で、新入社員の大量辞退があったとの「文春砲」が出た。それにとどまらず、企業側の反応がずさんではないか、との指摘がSNS上などで相次いでいる。

【写真で見る】話題となった「ボロ家」の様子

筆者はネットメディア編集者として、これまで企業のプレスリリースや、「炎上」を受けての謝罪文を読んできた。その経験からすると、少し眺めただけでも「よく掲載に至ったな」と驚くような内容だった。

以下、複雑になってしまっている経緯を、わかりやすく紹介しながら、解説していこう。

いなば食品の「ボロ家」報道

いなば食品の騒動は、2024年4月10日に「週刊文春 電子版」が報じ、翌日発売の雑誌紙面にも掲載された。

【画像】ボロ家と報じられたいなば食品の「一般職」向け新人社員寮…の様子を見る(3枚)

そこでは「新卒の辞退者が9割に達している」との関係者談が紹介され、実際に入社辞退したという人物が、給与体系の不明瞭さや、静岡市清水区由比にある「社宅」の様子を明かしている。

文春記事では、新入社員は「ボロ家」での共同生活を命じられたなどと伝え、いなば食品は質問状に対して「事実確認を実施している」と回答したと報じている。週刊文春 電子版は13日に続報として、「ボロ家」内部で撮影された写真や動画も届けている。

いなば食品は、テレビCMで「ライトツナ」などの魚介系缶詰商品で知られ、傘下のいなばペットフードが販売する「CIAO(チャオ)ちゅ〜る」は、ネコたちの反応が良すぎるなどと、絶大な人気を誇る。

この3月には、大谷翔平人気にわく大リーグ・ドジャースと公式スポンサー契約を結び、スタジアムに「Churu(ちゅ〜る)」の広告表示がされるように。いまや世界規模で展開するメーカーと言える。

そんな有名メーカーに出た「ボロ家」報道だが、従業員の待遇以上に、ネットユーザーを驚かせたのが、反応したプレスリリースだ。4月12日に「一部報道について」を発表した後、同日中に「由比のボロ家報道について」なるタイトルの文章も出された。この文章について、SNS上では「もはや怪文書の域だ」と評されているのだ。

「怪文書」の発表

順を追いながら、発表文をなぞってみよう。

当該物件を含めて、シェアハウスは6棟あり、3月下旬に全家屋の点検・クリーニングを行った。そのうち3棟に、原則として転勤のない一般職(事務職・工場勤務職)が5人入居していて、今回指摘されたのは「唯一の新規の1棟」だったという。

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