入学式取材で見えた「東大新入生」のリアルな変化 「将来像これから」「政治の話は引いてしまう」
東洋経済オンライン / 2024年4月20日 7時30分
理系の男子院生は、「就職先として最も人気なのはコンサルだ。1番の理由は給料の高さ。官僚は激務の割に薄給なので人気はない。同じぐらいの仕事量でコンサルだともっとお金がもらえる。入学時は官僚を目指す人も多いが、みんな流されるようにコンサルに変わっていく」と明かす。
一方で、別の理系の男子院生は「コンサルは人気過剰になり、成熟期に入ってきているとも感じる」と説明する。「いきなりベンチャーに入ったり、起業したりといったケースもあり、これからは小規模でも株を持ちながら、経営に携われる仕事に次の波が来るのではないか」(同)。
この学生は、海外での就職か、外資系の投資銀行やコンサルを考えている一方、将来的には起業も選択肢に入れているという。
新興企業育成に力を入れる政府は、スタートアップへの投資額を2027年度に10兆円規模に拡大する目標を掲げ、東大でもAI(人工知能)分野などを中心に起業が目立つ。時代の流れに敏感な東大生からは、将来の道を決めるうえで、複線化が進む日本社会の行く末を冷静に見極めようとする姿勢も感じた。
社会が多様化し、選択肢が広がる中で、日本を代表する新入生の秀才たちは、これからどんな道を進むのか。変化に揺れる東大生の意識の一端も感じさせられた、春の日の晴れ舞台だった。
茶山 瞭:東洋経済 記者
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