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TKO木本、投資トラブルを起こした「40代の焦り」 そこそこ売れてても「妙な不安」に支配されていた

東洋経済オンライン / 2024年4月24日 14時0分

芸人としての先行きに不安を感じるようになってきた木本さん。「柱になるものはないか」と焦る気持ちが積み重なり、「投資しかない」と思い込むようになっていったといいます(写真:タカス/PIXTA)

2022年から2023年にかけて、被害総額約7億円にも及ぶ、投資トラブルで話題となったお笑いコンビ・TKOの木本武宏さん。長年所属した松竹芸能を退社するなど、大きな変化がありました。そんな木本さんが語る“戒め”とは?

木本さんの書籍『おいしい話なんてこの世にはない どん底を見たベテラン芸人がいまさら気づいた56のこと』より一部抜粋・再構成してお届けします。

芸人以外の「柱」が見つからない

芸人としての先行きに不安を感じるようになってきた40代において、僕は芸人以外の「柱」をどうやって建てようかと模索していました。

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芸人の世界で成功するかどうかは博打のようなものです。ギャンブルに興味がもてなかったのは、僕の人生がギャンブルみたいなものだからかもしれません。売れるかどうかは本当に運次第ですから。

幸運にも僕らは「そこそこ売れっ子」まではたどり着くことができました。ただ、自分たちの冠番組をもてなかった芸人としての仕事は「たぶん楽しくなくなるのやろな」という予感がありました。それでも、自らのブランディングとしては「華やか」に見えるように装わなければいけない。

誰でも思いつくことでしたが、僕はその手段として「NHK朝ドラ」のオーディションを受けにいきました。当時の僕は中村玉緒さんにとてもお世話になっていました。玉緒さんのすべての仕事を把握しておきたかった僕は、ナレーションを担当されていた『てっぱん』という朝ドラを熱心に観ていたのです。

そして、オーディション当日、与えられた課題はまさに『てっぱん』の台本を読んで演技するというものでした。セリフが頭に残っていた僕は、ある役柄について台本をいっさい見ずに演じることができました。それが功を奏したかどうかは不明ですが、『ごちそうさん』という大阪放送局制作の朝ドラに、主人公の夫の上司役での出演がかなったのです。

最高の役者デビューを果たすも「妙な不安」

朝ドラが大好きだった僕の祖母もことのほか喜んでくれました。視聴率もよかったので、役者・木本武宏のデビューとしては最高でした。ドラマ業界でも注目される作品でしたから、この出演をきっかけに民放のドラマや、映画にもお声がけいただけるようになりました。

芸人と役者。この2本柱でやっていければ、釣り合いが取れるんじゃないかと考えていました。

一方で、僕の中には「演技の世界で生きるのは恐れ多い」という気持ちがありました。

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