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グリコ「17種類出荷停止」巨大プロジェクトで誤算 40年ぶり社長交代で"データ志向"を目指したが

東洋経済オンライン / 2024年4月25日 16時0分

定番の「アーモンド効果」などが出荷停止状態。流通在庫もかなり少なくなっているようだ(記者撮影)

菓子メーカー大手・江崎グリコで発生した基幹システムの切り替えによる障害の影響が、想定を超えて広がりつつある。

【出荷停止となった商品一覧】「プッチンプリン」に「カフェオーレ」のほかに、あの商品まで・・・・・・

4月24日、キリンビバレッジは果汁飲料「トロピカーナ」や「無添加野菜」など37品目について、受発注、出荷業務ができず、出荷停止状態になっていると公表した。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの販売先に影響が出ている。

同社はグリコにチルド飲料(紙容器などの商品)の販売を委託しており、システム障害の影響が波及した格好だ。グリコのシステムが復旧次第、出荷を再開するとしている。グリコはシステム障害発生から5回ものお詫びリリースを出しており、現場の混乱が見て取れる。

一度は出荷を再開したが…

ことの発端は4月3日だ。グリコが基幹システムを切り替えた際に障害が発生し、一部の受発注、出荷業務に影響が出た。4月5日に発表されたリリース文は5行と短く、簡潔な説明と、取引先への謝罪の言葉が並んでいた。

ところが、その後の4月14日には乳製品、プリンなどの洋生菓子、果汁飲料、清涼飲料などの冷蔵品について、全国の物流センターでの業務が一時的に停止となる。18日には一部業務を再開し、順次復旧が進むとみられたが、ここでも不具合が生じた。

具体的には、システム上の在庫数と実際の在庫の数が異なるなど、データの不整合があったという。また、全国から寄せられた受注量は想定の範囲内だったものの、システムエラーが続いたために処理が間に合わず、結局、再度停止になってしまった。

現在出荷停止となっているのは17種類の冷蔵商品だ。「朝食りんごヨーグルト」「アーモンド効果」「カフェオーレ」「プッチンプリン」など、同社を代表するブランドも含まれている。ほかの菓子や食品などで影響は出ていない。

現在は5月中旬の再開を目指して復旧に当たっているが、これより早期に復旧する可能性も、さらに遅れる可能性もある。基幹システムの障害の原因、データの不整合との関連性など、原因をすべて特定できているわけではない。「復旧に向けて、出荷業務の手順の見直しや、システムのさらなる改修の可能性も含めて検討している」(グリコ広報)。

障害が発生した新基幹システムは総投資額340億円で、グリコにとって巨大プロジェクトだった。グリコは2014年に完全子会社だったグリコ乳業を吸収合併したが、システムはバラバラだった。会計など統合している分野もあったが、生産関係で異なるシステムを利用していたという。

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