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「アジアのベストレストラン」1・2位に日本の快挙 評価には「料理以外」の要素も大きく関わる

東洋経済オンライン / 2024年4月27日 11時40分

食材を自ら栽培・飼育するという食料資源への意識に加え、社会的持続可能性(元受刑者に仕事の機会を与える)、廃棄物を抑える環境への配慮などを行っているという。

食材を余さず使うという環境への関心だけでなく、社会的課題にレストランとしてどう向き合うか、また地域コミュニティへの積極的な参加が求められているという証左でもある。

これらの活動は味に直接には関わらないし、美食とはそもそも最上の食材を潤沢に用いるという意味で、本質的には持続可能性とは正反対の性質を持つものだ。

それでもレストランが環境整備の部分に労力やコストを投じられるかは、店だけでなくコストを負担するゲストにも問いかけられているといえる。

授賞式そのものが翌年の順位を左右する?

このランキングでは、レストラン個別の順位もさることながら、各地域で何軒のレストランがランクインしたかが、世界全体(この場合はアジア)から見た国ごとの飲食店の存在感や魅力、影響力の指標のひとつとしても読み解ける。

それは、このリストが、とりもなおさずその地域に投票者を呼び込んだ結果であるからだ。

投票者が自らの「行きたい」という思いのもと出かけるため、レストランへの行きやすさも順位に関わる大きな要素となる。

また、順位を左右する要素として意外と大きいのは、授賞式がどの都市で行われるかということだ。

華々しい授賞式は料理人、ソムリエ、サービス担当者、またメディア関係者などが一堂に会し、交流する場だ。

授賞式に参加する投票者は、その前後におのずからその近隣のレストランを訪れることになる。だから、授賞式のあとにその国や地域でランクインする軒数が増えるという現象が、これまでも起こってきた。

日本での授賞式開催が"悲願"の理由

すでに12回目を数える「アジアのベストレストラン50」、日本で授賞式が行われたことはまだない。

実は2020年に、いったんは日本での誘致に成功し、佐賀県武雄市で「アジアのベストレストラン50」の授賞式が行われることが決定していた。

しかしコロナで移動が制限されはじめた時期と重なり、結局、その年の授賞式はオンライン開催となってしまった。

コロナ後の海外旅行解禁や円安の影響を受けて、2023年夏ごろからふたたび日本にも多くの観光客が訪れるようになった。

なかでも、魅力的な食事を目的としたいわゆるガストロノミーツーリズムを、2023年から日本政府でも観光戦略のひとつとして推進している。

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