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「マセラティ」今なおエンジンにこだわる意味 この時代に新開発V6 3L「ネットゥーノ」の味

東洋経済オンライン / 2024年4月29日 7時15分

低回転から高回転まで、回転域にかかわらずアクセルペダルの踏み込みに対して即座に加速するエンジンの性質を、“フレキシブル”と表現することがある。マセラティのネットゥーノ・エンジンは、まさにそれ。

そのことがよくわかるのが、プレミアムクラスの4人乗り2ドアクーペとして設定された新型「グラントゥーリズモ」だ。

マセラティの伝統を感じるグラントゥーリズモ

ネットゥーノは「トロフェオ」と「モデナ」という2つのグレードに搭載されている。出力は前者が405kW(550馬力)、後者が360kW(490馬力)で、最大トルクは2車ともに650Nm。

マセラティは、戦前はレースで活躍して国際的な名声を確立したメーカーだが、戦後はわりと長い間、レース活動を休止して、高級かつ高性能なクーペ作りで人気を博してきた。「その伝統は健在」と思わせてくれるモデルが、グラントゥーリズモ。

2929mmの比較的長いホイールベースに、5mをやや切るサイズの余裕あるボディ。だから、重めの車体をたっぷりしたトルクで走らせるようなキャラクターかと思っていたが、一瞬でその予想は訂正された。

MC20の操縦感覚をカミソリにたとえるなら、グラントゥーリズモはナイフ。そんな印象のスポーツクーペだったのだ。

足まわりの設定は、MC20ほど締め上げられておらず、しなやかに感じられるが、サーキットのカーブではしっかりと車体を支え、ステアリングも反応がよく、ネットゥーノのパワーを、スポーツクーペというコンセプトに基づいてしっかり生かしてくれている。

車内の出来もとてもよく、ドイツ車とは違う質感も特徴的。後席は、乗り込むときだけちょっと苦労するけれど、ひとたび収まってしまえば、身長175cmの私でも落ち着いていられる。

ホイールベースが3m近いだけあって、GT(グラントゥーリズモ)としてパッケージングも高得点。長距離を走るのにもよさそうだ(この加速感には興奮しっぱなしかもしれないけれど)。

予想を裏切る楽しいSUV

もう1台、ネットゥーノ搭載の「トロフェオ」グレードが設定されているのは、2022年春に日本で発売されたSUVの「グレカーレ」だ。

マセラティは「レヴァンテ」というSUVを2016年から販売しているが、グレカーレはそれよりホイールベースで104mm、全長で141mmともに短い(グレードで若干の差はあり)。

一説によると、当初マセラティは、ネットゥーノをグレカーレに搭載する計画がなかったとか。しかし、開発途中に計画が浮上。幸い、このV6は前後長がコンパクトなので、搭載位置を工夫することで、グレカーレのエンジンルームに収まったのだという。

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