医師が指摘「悩みから解放されにくい人」3つの特徴 不安、イライラ…日々のストレスが認知症を生む
東洋経済オンライン / 2024年4月29日 13時0分
2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると予想されています(内閣府「高齢社会白書」/2017年)。その認知症を引き起こす原因として、「慢性ストレス」による脳のダメージに注目し、「ストレスに屈しない最強メンタルは腸内環境が作る」と断言するのは、消化器外科医・ヘルスコーチの石黒成治氏です。最新著書『認知症にならないストレスマネジメント 医師が実践する脳ダメージをはねのける方法』から一部抜粋してお届けします。
ストレス耐性に差が出る3つのポイント
これまで多くの患者さんや健康スクールの生徒さんと接してきた経験から、特定の悩みからすぐに解放される人と、なかなか抜け出せない人を見てきました。その違いの1つ目は「マインドセット」。2つ目は「思考の執着のクセ」。3つ目は「腸内環境」です。それらを少しずつ変えていくことにより、悩みが軽くなっていく経過を見てきました。
【書影】『認知症にならないストレスマネジメント 医師が実践する脳ダメージをはねのける方法』
「マインドセット」とは、個人が受けてきた教育や経験などから形成される「価値観や先入観、信念、物事の見方」のこと。生まれながらにして持つ性格ももちろん影響しますが、多くは後天的に、無意識に形成されていきます。
例えば、世の中は、テロも戦争も起こり、日本もかつての活気を失い、老後は破産のリスクが高くなり、かつてに比べて、どんどん悪くなっていると考える人がいます。その一方で、スマホが発達し、情報がいつでもどこでも得られるようになり、いつでもSNSで交信できる、世の中はどんどんよくなっていると考える人もいます。
このような視点の違いを生むのは、「物事は変わらない」という考え方(硬直マインドセット)を持っているか、「物事はどんどん成長する」という考え方(成長マインドセット)を持っているかです。後者のように、どんな困難なことがあっても、いずれはよくなるだろうと思えれば、ストレスがかかる時間、そしてストレスの総量が変わります。
ストレスをどう捉えるかによっても、体への反応が変わってきます。ストレスは、個人が自分の対処能力を上回る周囲からの要求を評価したとき、その状況を自分にとっての脅威と見なした結果起こります。ストレスと認識したとき、心拍効率が低下し、ホルモン反応が亢進し、否定的な感情が生まれ、認知パフォーマンスが低下します。
それに対して、自分にはその困難な環境での要求を満たす十分な資源があると認識しているとき、ストレスではなくチャレンジとなります。チャレンジであると考えたときは、心拍効率が上昇し、成長に関連するホルモンが反応し、逆に認知パフォーマンスが上昇します。
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