1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

16年の幕を閉じた「沖縄国際映画祭」が残した課題 映画だけではない、総合エンタメの祭典だった

東洋経済オンライン / 2024年4月30日 13時30分

7組のプレゼンでは、子どもの職業体験の場作り、ビーチなどのゴミ拾いのネットワーク、笑顔と元気の源になる美容の介護への取り込みなど、すでにアクションを起こしているアイデアも含めて、事業化へのポテンシャルが高いであろうプロジェクトが次々に発表された。

観客投票による審査の結果、今年の「島ぜんぶでうむさんラブ賞」(最優秀賞)は、おからを活用して島豆腐文化を守る「Okaraokara」が受賞。

豆腐の製造過程で出るおからを廃棄物から資源へと変えることで、コストと環境負荷を減らすのと同時に、代替肉のおからミートによる健康促進など、おからの価値を高める商品開発を進めるプロジェクトだ。

島ラブを運営する、うむさんラボ社の代表取締役・比屋根隆氏は「3年やってきた積み上げから認知が広がり、応募者数は増えています。今回から企業賞(沖縄セルラー電話賞、大和ハウス工業賞)を取り入れましたが、一緒にコラボしたいという企業も多くなりました」とこれまでの取り組みの手応えを語る。

スタートからの3年間、沖縄国際映画祭のなかの一部として開催されてきたが、映画祭終了後も島ラブプロジェクトはこれまで同様の形態での実施に向けて調整中であり、来年以降も継続していく。

比屋根氏は「この3年間でファンドを作りました。コンテストのプレゼンからファンド出資者とつながるエコシステムを4年目以降に作っていきたい。県内のいろいろな行政機関とも連携を深めてきて、次のステップとして県の補助事業でのテストマーケティングをする流れができつつあります。4期目はそういうエコシステムをさらに拡充していきます」と意気込みを語る。

沖縄国際映画祭は終わるが、沖縄の多くの若い世代がソーシャルビジネスに関心を寄せるようになったいま、島ラブプロジェクトはここからさらに羽ばたいていきそうだ。

16年の笑顔と感動が凝縮されたラストライブ

映画祭としては、かねて取り組んできた地域課題の解決を掲げる地域発信型映画や、老朽化のため昨年解体された沖縄最古の映画館・首里劇場を舞台にするドキュメンタリー特集、沖縄の風景や文化を映す沖縄舞台の作品をセレクトした沖縄産映画特集などが上映されたほか、お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリが照屋年之として監督する新作『かなさんどー』発表イベントなどが行われ、映画祭ラストを賑やかに締めくくった。

そして、映画祭の終幕を華やかに彩るエンディングイベントは、16年の映画祭の歴史と沖縄の伝統芸能が融合する2部構成のライブ『Laugh&Peace LIVE』だ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください