1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

16年の幕を閉じた「沖縄国際映画祭」が残した課題 映画だけではない、総合エンタメの祭典だった

東洋経済オンライン / 2024年4月30日 13時30分

1部は、第2回から出演してきた映画祭を代表するアーティスト・かりゆし58によるライブ。これまでのステージの思い出を振り返りながら、映画祭最後の夜への思いを語り、熱く歌う。満席となった那覇文化芸術劇場なはーとの観客の心を震わせ、涙を流しながら拍手を送る人の姿も多く見られた。

2部は宮沢和史プロデュースによるステージ。沖縄県内外で活躍する若手琉球古典音楽演奏家・親川遥の古典演奏、親川遥と宮沢和史との「島唄」コラボ、そして宮沢和史のライブが開催された。

最後はこの日の出演者全員がステージに集い、THE BOOMの「シンカヌチャー」を歌った。バックスクリーンには過去16回の映画祭の映像が流され、観客全員が手拍子をしながらエイサーの掛け声をあげる。映画祭の16年をともに過ごした仲間が一体になり、最高の笑顔と感動の涙に包まれた、沖縄国際映画祭らしいエンディングになった。

クロージングセレモニーに出席した実行委員会・副会長の知念覚那覇市長は「イベントと観客がひとつになり、笑顔の輪が広がったことに大きな喜びを感じています。今回で終了しますが、沖縄から新たなコンテンツを発信するという意味では大変多くの意義がありました。これまで培ってきた経験は、別の形で次の新たなステージへつながっていくものと考えています」と締めた。

一方、地元選出の宮崎政久衆議院議員は、観客の1人として「沖縄に定着して大きくなったこの映画祭には思い出がたくさんあり、終わることに寂しい思いがあります。いいことがたくさんあった時間が我々を引っ張ってくれました」と振り返る。

また、母親と会場を訪れていた那覇在住の保育士の女性(20歳)は「毎年好きな映画や俳優さんを見に映画祭に来ていました。俳優さんとかタレントさんが大勢来るこんなに大きなイベントは沖縄にほかにないので、終わってしまうのは残念です」。沖縄市から来ていた会社員の女性(50代)も「映画祭は沖縄の風景のひとつに溶け込んでいます。せっかく続けてきたのに、終わるのはもったいない」と話していた。

そんな声が届いているのか、宮崎議員は「今回でひと区切りになりますが、これを糧として、これからは我々県民からしっかり盛り上げていけるような大きな取り組みにしていきたい」とこの先の継続への意欲も示した。

長きにわたって映画祭をサポートしてきた西川きよしは「今日がゴールですが、また新しい出発への第一歩だと思っています。これからまた沖縄との新たなコラボを考えていければうれしい」。桂文枝も「いったん終わりますけどまたやらせていただきたい」と力を込めた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください