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プロジェクトに失敗する人と成功する人の決定差 世界に誇る建築家の功績は「なぜ」から生まれた

東洋経済オンライン / 2024年5月1日 16時30分

たとえば政治家が、島と本土を結びたいと考えたとしよう。橋の建設にはいくらかかるのか? どこに橋を架けるべきか? 工期はどれくらいか? こうしたことを細かく議論すれば、立派な計画を立てたような気になるかもしれない。

だが実際には、「橋を架けるのが一番だ」という答えから始めてしまっている。もしその代わりに、「なぜ」島と本土を結びたいのかを考えれば──たとえば通勤時間の短縮や、観光客の誘致、緊急医療へのアクセス改善のためなど──最初に「目的」にフォーカスし、次にその目的を実現するための「手段」の議論に移るだろう。これが正しい順序だ。新しいアイデアはここから生まれる。トンネルはどうだろう? フェリーは? ヘリポートは? ニーズを満たすために島と本土を結ぶ方法はいくらでもある。

目的によっては、物理的に結ぶ必要すらないかもしれない。高品質のブロードバンドサービスは、わずかなコストでいろんなニーズを満たせるだろう。それに、島を「結ぶ」ことは必要でも得策でもないかもしれない。たとえば緊急医療のアクセス向上が目的なら、一番よいのは島に医療施設をつくることだろう。

だが答えから議論を始めてしまうと、こういったアイデアはけっして生まれない。

十分な情報をもとに、「何のために、なぜやるのか」を明確に理解すること、そして最初から最後までそれをけっして見失わないことが、成功するプロジェクトの基本である。

ベント・フリウビヤ:オックスフォード大学第一BT教授・学科長

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