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日本企業から「職場の問題」が消えない根本原因 真の解決がほしいなら組織論より戦略論に学べ

東洋経済オンライン / 2024年5月1日 8時50分

日本企業は、「消えない問題」を消そうと無理な努力をしていないでしょうか?(写真:Luce/PIXTA)

「うちの会社はどうしてこうなのか」「弊社にはイノベーションがない」「グローバルスタンダードに後れを取るわけにはいかない」

これらは、組織で働く人であれば、何度も見聞きし、解決を図ろうとする問いではないでしょうか。

この問いに正しく向き合い、解くためには、「実戦で使える」戦略論が必要だと、神戸大学の三品教授は述べます。

30年以上にわたり、日本企業の戦略を考えてきた三品教授が、これから日本企業の舵取りをするビジネスパーソンに伝えたかったこととは。

700ページに及ぶ著書『実戦のための経営戦略論』から紹介します。

組織論では組織の問題は解けない

働く人の関心は、組織論に向かいがちです。

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起きている時間の過半を職場で過ごし、そこで喜怒哀楽を味わい、懐具合まで決まるとなれば、無理もありません。

しかし、マネジメントの原義は「かろうじて何とかする」、意訳すれば「だましだまし、その場を繕う」ですから、職場に問題が山積することは前提となっています。

解くべき問題が絶えないので組織論は栄えますが、解くべき問題がいつまでも残るのは、半永久的に解けないからです。

戦略論は真逆です。2.0の視力で見ているかのように職場の内側で起きていることが見えている人も、職場の外側で起きていることとなると、0.2の視力程度にしか見えていない。

となると社員は戦略を身近に感じることもなければ、関心すら抱かないのではないでしょうか。しかし、戦略の問題は解くことが可能です。

そして、ヒトの働きを効率よく稼ぎに換えると、組織論やモチベーションの問題が雲散霧消することも珍しくありません。

欲しいのはイノベーション?

 戦略論は、リーディングエッジに引きずられがちです。

本書執筆時の2023年で言えば、さしずめ猫も杓子もイノベーション、プラットフォーム、サブスクリプションといったところでしょうか。

こうした情景は、「いったん金槌を手にすると、目に飛び込んでくるものは何でも釘に見えてしまい、思わず打ち付けたくなる」という笑い話を彷彿とさせます。

たとえばイノベーションは、再現性に乏しいうえ、売上高を一時的に引き上げて終わりです。他社による模倣が相次ぐなかで成長を長らえ、利益を確保するには、何か他の手段がいります。

端的に言うなら、それが戦略です。この本は、リーディングエッジとは何の縁もない凡庸な事業や企業に役立つオーソドックスな戦略論を展開していきます。

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