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2つの「マネー小説」に学ぶ、本当に大事なお金の話 原田ひ香×田内学「お金の本当の役割とは」対談

東洋経済オンライン / 2024年5月3日 12時0分

原田:ぜんぜんないですね。20代のころは丸の内で秘書をしていました。当時は貯金をしていたんですけど、その元になったのが、まさに本にも出てくる「1カ月に8万円ずつ貯める」っていう話なんです。

田内:「8×12」の話! あれは実話だったんですか。

原田:はい。女子大生時代に大学の先生に教えてもらいました。「1カ月に8万円ずつ貯める。年2回のボーナスは2万円ずつだけ貯金に回して、あとは全部使っていい。すると12カ月で100万円になります」と。

実はこの先があって、「将来、結婚するとき、この貯金のことを相手に話してはいけない」という話だったんです。

田内:ほう、その真意は?

原田:ひょっとしたら結婚相手がとんでもない暴力男だったり、実はすごい借金があったりするかもしれない。そうなったときに数百万円の貯金があれば、子どもがいたとしても、その手を引いて家を出られるでしょう、と。もう30年くらい前の女子大での話ですけど。

田内:すごい話ですね。この貯金術、原田さんは実際に実践されたんですか?

原田:はい、社会人1年目に100万円を貯めました。すでに銀行の金利が下がっていたので、もう少し効率的に増やしたいなと思って、当時、利回りが一番よくて安全だったMMFに預けてみました。

だから金融系の勤務経験があるとか、バリバリ自分で勉強して投資してきたとかではないんですけど、20代のころから何となく投資していて多少は知っているかな、くらいの感じですね。

田内:『きみのお金は誰のため』には、主人公・優斗と一緒にボスに教わる金融会社勤務の女性・七海が出てくるんですけど、実は最初、七海を主人公にしようと思っていたんです。

でも『三千円の使いかた』を読み返して、それは無理だと思い直しました。ここまで細やかに女性の心情を描くことは僕にはできないな、と。男性として、夫の立場からこの本を読んで勉強しようと思いましたね。奥さんはこういうふうに考えるんだ、とか……。いろいろと学べるところ、共感できるところがありました。

田内「『お金』の本当の意味を伝えたかった」

原田:私も『きみのお金は誰のため』、すごくおもしろく読ませていただきました。前半は、田内さんの投影であるボスの教えを、自分にも照らし合わせながら時間をかけて読みました。後半に入ると畳み掛けるように小説の要素が強くなっていって、一気に読んでしまいました。

田内:ありがとうございます。

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