なぜ哲学は多くの人が挫折する学問なのか? 初心者でも哲学のいろはがわかる学び直し法
東洋経済オンライン / 2024年5月4日 15時0分
哲学を学ぶのは難しいーー。議論が長く複雑。用語が難解。結局何が言いたいのかわからない……などなどです。
もっと簡単でわかりやすくて、しかも実用的な即効性や娯楽性があるものはたくさんあります。それでも哲学を学ぼうとする人が現代でも後を絶たないのは、哲学を通じて、ものの見方や考え方を学びたいからではないでしょうか。そんな方のために、初心者でも哲学の基本がわかる学び方を『一度読んだら絶対に忘れない哲学の教科書』の著者であり日本初の哲学YouTuber・ネオ高等遊民氏さんに聞きました。
哲学YouTuberのネオ高等遊民です。私はこれまでYouTube動画やオンラインの読書会などを通じて、哲学のおもしろくて深い解説や読み方、学び方をさまざまに紹介してきました。
いくつか紹介しますので、楽しそう・自分でもできそうと思うものから、気楽にはじめてみてください。最初に全体を述べると下記のとおりです。
<基本編>
・哲学の歴史について読んでみる
・個々の哲学者について読んでみる
・複数人で哲学書を読んでみる
・哲学対話や雑談を聞いてみる
<応用編>
・自分でも書いたり話したりしてみる
まずは基本から紹介します。
教科書:哲学の歴史について読んでみる
哲学について学ぶなら、これが王道です。哲学史とも言われる、もっとも教科書的な構成で作られている本です。
哲学の歴史はだいたい4つの時代で区分されています。それぞれ古代・中世・近代・現代です。全体をさらっと解説した哲学史もあれば、1つの時代に特化した哲学史もあります。
まずは全体をさらっと解説した本を何冊か読み、それから興味のわいた哲学者の多かった時代の哲学史を読んでみましょう。
学びはじめたばかりであれば、まだ自分がどんなことに興味を持つのかもわかりません。うすーくでいいので全体をとらえてみて、それからすこしずつ自分の関心を見つけていきましょう。
カメラにたとえれば、ピンボケ状態でいいからとにかくいろいろなものを写してみるようなものです。興味のある対象が見つかったら、そこにフォーカスしてみましょう。
また、似たような本でも複数冊読むことも大切です。哲学の教科書は、それこそカメラで撮影された映像のようなものです。同じものでも、それを写す人や写し方によっては全然違って見えますよね。
ですから哲学の入門書は、受験参考書のように「これ1冊をマスターすれば大丈夫」というようなものではなく、少し違うものをたくさん読むことが、とても効果的です。これは次の入門書でも同じことが言えます。では次に入門書の学び方について紹介しましょう。
入門書:個々の哲学者について学んでみる
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