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「東大受かった子」にかかる"教育投資の平均値" 香川から大阪まで塾に通い合格した学生も

東洋経済オンライン / 2024年5月4日 19時0分

東京大学(写真: プレミアムフォトスタジオ Takashi Images / PIXTA)

首都圏からの合格者が多い東京大学。地方からの出身者はなぜ少ないのでしょうか。『東大合格はいくらで買えるか?』を上梓した、現役東大生の布施川天馬氏が東大生100人に取ったアンケート結果を基に分析します。

みなさんは、現在の日本の教育システムは平等だと思いますか?

【写真】『東大合格はいくらで買えるか?』(布施川 天馬)では、東大生100人のアンケートを基に、教育にかかった費用などを分析

「ペーパーテスト一発での受験システムは平等だ」という人もいれば、「いや、地域格差や、経済格差もあるだろう。教育投資ができる家庭の子どもではないと、成績は伸びにくい」と考える人もいるでしょう。

現在の日本の教育格差がどのような状況になっているのか、私は東大生100人にアンケートを実施しました。今回はその結果と、そこから見えてきた現状を、みなさんにもシェアしたいと思います。

東京近郊の出身者が多い

まず、地域格差の現状をみてみましょう。今回実施したアンケートでは、東大生の出身地域は、比較的首都圏が多い傾向が見て取れました。

東京出身者が100人中の27人、神奈川出身者が13人。合計40人が関東近郊の首都圏出身者です。

今回のアンケートの母数自体は多くありませんが、ほかで実施されているアンケートとも矛盾しない結果だったので、おそらく一定の信憑性はあるのではないかと思います。

このアンケート結果でわかった、4割が東京や神奈川など首都圏近郊地域である、という点は見逃せません。

なぜ、東京や神奈川などの首都圏出身者が多いのでしょうか。基本的には、都会で育ったほうが受験には有利になります。なぜなら、優れた塾や予備校などの教育サービスにアクセスしやすくなるからです。

例えば、大手予備校グループである駿台予備校に注目してみると、東京や大阪にはそれぞれ7校の校舎があることがわかります。一方で、関東・東海・関西以外の地域には、ほとんど校舎がありません。札幌、仙台、広島、福岡に、それぞれ1校ずつあるだけです。

私は以前、香川県から東京大学に合格した学生に話を聞く機会がありました。彼との会話で1つ、印象に残っている言葉があります。それは、「予備校の授業を受けるために大阪まで行き、ホテルに泊まって、自宅がある香川まで帰った」という話でした。

私は東京の出身です。東京にはさまざまな予備校があり、渋谷、新宿、池袋まで出れば、誰でも手厚い教育サービスを受けることができます。塾に通う交通費も、東京近郊に住んでいれば、せいぜい片道300~400円程度あれば足ります。私にとって、教育サービスは、「いつもすぐそこにあるもの」でした。

交通費と宿泊費を捻出して塾通い

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