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高額化するがん治療「高額療養費」でいくら戻る? 知らないと損「公的制度と民間がん保険」活用法

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 10時0分

知っている・いないで全然違う「がん治療の負担を軽くする公共の制度」について紹介します(写真:SoutaBank/PIXTA)

医療技術の進歩とともに高額化するがん治療だが、日本には治療にかかる負担を軽くする社会保障制度がある。ベースに健康保険(国民皆保険)があり、負担が青天井にならないような仕組みもある。

さらに気になるのは、民間のがん保険だろう。入ったほうがいいのか悩んでいる人もいるのではないか。

ここでは、高額化するがん治療に対応すべく、1円でも負担を軽くするポイントについて紹介する(知っておきたい「がん治療とお金」を、3日間にわたってお届けします。今回は2回目)。

頼りになる3つの公的支援制度

日本人の2人に1人がかかるとされるがん。検査や治療法が発達し、5年、10年と生存できるケースも増えてきた。その一方で、がんとともに生きるなかで医療費が積み重なり、それにより経済的な負担が増える問題も表出している。

【図で解説】70歳未満・年収500万円の人が、治療費で100万円かかったときに「高額療養費制度」で戻ってくる金額は?

「高額化する治療費を賄うときに頼りになるのが、公的な支援制度です」と、特定社会保険労務士の近藤明美さんは話す。

覚えておきたい制度は3つ。一定額を超えた分の医療費が払い戻される「高額療養費制度」、休業中に給料の3分の2(例外あり)が支給される「傷病(しょうびょう)手当金」、現役世代でも受け取ることができる「障害年金」だ。

これらは組み合わせることもできる。NPO法人「がんと暮らしを考える会」の副理事長でもある近藤さんは、以前、治療費の相談があった患者の例を挙げる(プライバシーに配慮し一部を変えています)。

サービス関係の企業に勤める男性Aさん(40代)は、がんによる体調不良のために休職し、傷病手当金を受給しているものの、収入が減って家計が厳しくなった。毎月の医療費の負担に加え、住宅ローンもあった。

近藤さんは高額療養費制度の「付加給付」について情報提供するとともに、ファイナンシャルプランナー(FP)と連携して家計についてアドバイスしてもらった。

「傷病手当金が受給し終わっても復職できない場合や、フルタイムでの勤務が難しいなど仕事に支障がある場合は、障害年金の請求を検討することになります」(近藤さん)

公的制度で医療費の一部が戻る

それぞれの特徴をもう少し詳しく見てみると次のようになる。

高額療養費制度は、収入や年齢に応じて1カ月間の医療費の自己負担限度額が決められていて、それを超えた自己負担分が後で払い戻される。払戻金はその人の年齢や年収などで異なる(金額の例は後述)。

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