1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「仕事がつらい」モードを切り替える正しい休み方 「闘う」でも「逃げる」でもない第3の選択肢

東洋経済オンライン / 2024年5月6日 9時0分

だるい、寝ても寝ても眠気がとれない。何も考えられない、服従的、真っ白になり、固まってしまう。朝起きて活動をしようとしても、どうしてもエンジンがかからない。気力も体力も奪われてどうしようもない状態を、どうすればいいのか。ここを紐解く1つのワード、それが「凍りつき」(Freeze)です。

例えば、闘うことも逃げることもできないとき、野生動物はどうなるでしょうか。抵抗せずに固まって、「死んだふり」をします。

目は虚ろになり、意識をぼんやりとさせ、痛みを感じにくくなります。その方が、敵にとどめを刺されにくいということを、生得的に知っているのです。

つまり、「固まる(フリーズする)」というのは、闘うことも逃げることも不可能な場合にその場をやり過ごし、生きる可能性を高めようとする防衛手段なのです。

これは、闘う(Fight)か逃げるか(Flight)という交感神経的な防衛反応とは異なる、3つ目のF=凍りつき(Freeze)と呼ばれています。

そして、それをつかさどっているのが副交感神経の中心を占める迷走神経の背側の枝であると、主張したのが心臓の生理学者スティーブン・ポージェスです。副交感神経は、休息・リラックスを担当するだけではなく、戦うことも逃げることもできない危機におけるフリーズ反応を担当しているのです。

古来より、ヒトが経験するストレスとは「天敵に襲われる」といった短期的なものが主体でした。交感神経によって活動性をブーストし、やっつけるにしても食べられるにしても、どのみち一瞬で終わります。

ただ、現代のストレスは過去に類を見ないほど持続的なものに変化しています。実際、ストレスフルな上司を殴って倒したり(闘う)、ストレスフルな仕事や人間関係を投げ出して逃走する、というのはほぼ封じられているに等しいでしょう。

となると、3つ目の防衛反応である「フリーズ」があらわれやすくなる、というのは、実に理にかなっているのではないでしょうか。

「固まる」ことで、やりすごそうとする若者たち

実際、現場感覚としても、ストレッサーに力強く反抗するというよりも、なるべく穏便に、無抵抗で「固まる」ことで、少しでも苦痛を軽減しながらなんとかやりすごす、という防衛を選択する人のほうが増えているように思います。そして、若い人ほど顕著にこの傾向が出ているのではないかと考えています。

「上司や取引先にひどく叱られて、頭が真っ白になり何も考えられなくなった」
「朝、学校や会社に行く時間になると、脱力して立ち上がれなくなる」
「強い悲しみやつらさを感じ、気力を失った」
「人生や将来、今の自分の状況に対してあきらめ、無気力、絶望を感じている」
「自分だけが我慢していればいいと、心を閉ざしてしまう」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください