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江東区で記者が目撃した選挙妨害騒ぎの阿鼻叫喚 江戸情緒残る下町はそのとき地獄絵図と化した

東洋経済オンライン / 2024年5月6日 8時40分

「ヘイヘイヘイ、ヘーイ♪ 日本保守党はカルト、日本保守党暴力ふるう 日本保守党を駆逐してやるー」

拡声器でラップ調の歌をとどろかせながら急に現れた1台の街宣車が、飯山氏の選挙カーにピッタリと横付けして止まった。

車に目が釘付けになっていると、いつの間にか先ほどすれ違った高齢男性がそばに立ち、「選挙妨害するな! 馬鹿野郎!」と叫びながら、街宣車に接近していった。すると車から、撮影用のスマホを手にしたオレンジのシャツを着た男性が降りてきた。

直後、高齢男性に少し触れたように見えたオレンジシャツの男性が、「イタッ」と大声を上げて倒れ込み、顔をゆがめてのたうち回った。「暴行されました! 暴行されました!」。

聴衆がオレンジシャツの男性につかみかかり、男性が「犯罪者! 犯罪者!」と飛び跳ねながら大声で連呼する。「皆さん110番してください」「選挙妨害だよ、この野郎!」と怒鳴り声が響く。普段は落ち着いた下町の商店街は、一気に地獄絵図と化していた。

「来い」と言われたから来た

突然目の前で起きた事態から我に返り、事務所に目を移すと、つばさの党の代表である黒川氏が、小さな太鼓を打ち鳴らし、事務所入り口に向かう姿が目に入った。その横には、不敵な笑みを浮かべた若い男性が「日本を壊した安倍晋三を崇拝する政治音痴w」「ハマスをつくったのはイスラエル」と書かれたボードのようなものを掲げている。

「根本りょうすけ」と刻印されたタスキを身につけたこの男性は、補選の候補者の1人、根本氏本人だった。

根本氏らは事務所前に立つ日本保守党陣営とみられる男性に詰め寄り、何かを大声で主張しているように見えた。マイクを手にした根本氏は「みなさんねえ、なんで俺らがここにいるかというと、(日本保守党代表の)百田に『来い』って言われたからなんすよ」と話す。

記者が後で日本保守党の配信動画を確認すると、飯山氏がつばさの党とみられる陣営から妨害に遭ったことで、同情票が投じられたとのエピソードを紹介し、百田氏が「また来てくれ」などと冗談めかして述べていた。根本氏はこの発言を聞き、押しかけたという。

「邪魔だ」「うるせえよ」――。聴衆からは多くの怒号が飛び交うようになり、どこからともなく、「帰れ」という叫び声が上がった。その声は一気に膨らみ、大合唱になった。

「帰れ」の大コールを前に、一瞬聞こえなくなった根本氏の声が再び響き渡った。「はい、日本保守党から逮捕者が出てしまいました。コイツ、私人逮捕しまーす。俺にタックルして殴ってきました」。

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