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アップルやアマゾンでも「失敗する」共通の特徴 プロジェクト自体は最終目的ではなく達成する手段

東洋経済オンライン / 2024年5月7日 18時0分

当時アマゾンでデジタルメディア担当副社長を務めていたビル・カーは、2012年にファイアフォンのことを初めて知ったとき、「スマホにバッテリー消費量の多い3D対応画面をほしがる人なんているのだろうか」と疑問に思ったという。

それでも、1000人以上の社員を巻き込んで開発が進められた。ファイアフォンは2014年6月に約200ドルで発売されたが、売れ行きはかんばしくなかった。やがて半額に値引きされ、ついには無料になったが、それでも誰もほしがらなかった。

1年後、アマゾンはファイアフォンの販売を終了し、数億ドルの損失を計上した。「ファイアフォンの開発者が指摘していた通りの理由で失敗した。それがばかばかしくてね」とあるソフトウェア・エンジニアは言う。

「なぜ?」という問いかけが意味を持つのは、全員が気兼ねなく発言でき、意思決定者が聞く耳を持っているときだけだ。「多くの関係者が、ファイアフォンはうまくいくはずがないと思っていた」と、ジャーナリストでアマゾンに関する本を数冊書いているブラッド・ストーンは結論づける。「だが頑固なリーダーに議論を挑み、打ち負かすだけの気概や賢さを持つ者は1人もいなかったようだ」

右から左へ考えることが難しいのは、それが自然なことではないからだ。私たちにとって自然なのは、「見たものがすべて」と考え、目の前にあるものだけに集中することである。そして、クールなアイデアに惚れ込んでいるときや、プロジェクトの設計にのめり込んでいるとき、細部に没頭しているときはなおさら、右端のボックスは目に入らない。トラブルが始まるのはここからだ。

ベント・フリウビヤ:オックスフォード大学第一BT教授・学科長

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