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円安でも意外に安価「ノルウェー鉄道旅」の醍醐味 物価高対策にはコツがある、ITには慣れる必要

東洋経済オンライン / 2024年5月7日 6時30分

乗車率が高いわけでもなく、どう考えても儲かってなさそうな鉄道で、日本のように儲かる新幹線があるわけでもないのに路線が維持できているのは、やはり国鉄であるという点が大きいと感じた。

ノルウェー国鉄のなかで「儲かっていそう」と思ったのはオスロの空港鉄道で、「フリートルゲ」という空港特急はオスロ中央駅と空港の間を19分で結び、10~20分間隔で運行するが、運賃は230NOK(3252円)である。同区間は普通列車も走っていて所要時間は23分と、たった4分しか変わらないにもかかわらず運賃は118NOK(1675円)と安くなる。普通列車とてクロスシートなので車内設備に大きな差はないが、それでも空港特急は盛況であった。

日本人には「大きな運賃差」なのだが、多くの人は早く来たほうに乗っているようだ。おそらく現地の人にとっての運賃は普通800円、特急1500円くらいの感覚なのであろう。「日本人は貧乏になった」と感じる場面であった。

人口の少ない国の鉄道維持のために合理化は徹底している。駅に改札がないため、ワンマン運転は行わず、車掌がドアの開閉や検札に忙しく動き回っているが、オスロ中央駅ですら駅員はほとんどいない。切符はスマホのアプリで購入、外国人観光客などは券売機で購入する。日本でいう県庁所在地レベルの駅ですら無人駅である。

長距離列車の運賃体系は日本とかなり異なり、額は時間帯や混雑度によって変動する。オスロ―ベルゲン間(489km)の料金は1096NOK(約1万5600円)であるが、券売機で明日、明後日とみていくと運賃欄に「Lowest price=最低運賃」とあり、979、859、659、夜行列車では548NOKと半額の列車もあった。日本でも航空運賃は変動するが、それに似ている。489kmは東京からだと京都の少し手前になるが、そこまでの料金が8000円弱なら、鉄道に関しては日本よりむしろ格安である。

67歳以上は鉄道運賃半額

シニア料金も充実、67歳以上は半額になる。割引運賃とシニア料金の併用はできないが、オスロ―ベルゲン間でいえば、どの列車も正規運賃1096NOKの半額548NOKとなる。シニア料金も券売機で購入でき、乗車時に年齢を確認できるものを携帯していればよい。さすが高福祉国家と感じた。

筆者も67歳以上だったなら「ユーレイルパス」を利用しなかったと思うほどシニア料金が充実していた。ノルウェーでは、「ユーレイルパス」は60歳以上がシニア料金、乗車券は67歳以上がシニア料金と、適用年齢に差があるので注意したい。

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