Apple「動画が大炎上→謝罪」日本で盛大に燃えた訳 なぜ日本だけ…? 紐解いて見えた5つの要因
東洋経済オンライン / 2024年5月10日 18時30分
Apple(アップル)の新製品発表会で流されたプロモーションビデオに、SNS上では批判が殺到している。
【画像】ギター、ピアノなどが次々と破壊される、もはや「残酷さ」すらあるAppleのプロモーションビデオ(9枚)
巨大プレス機によって、楽器や家電などが次々と破壊され、最終的に残ったのは、過去最薄をうたうiPadの新製品。優位性をビジュアルとして描いたものと思われるが、とくに日本国内からは「失望した」といった批判の声が絶えず、最終的にAppleは謝罪に至った。
これまで10年以上にわたって、ネットメディア編集者として、数々の炎上案件を見つめてきた筆者の視点から、なぜ「Appleの楽器プレスCMは炎上したのか」を考えてみると、そこには大きく5つの要因があると考えられる。ことの経緯とSNSの反応をまじえつつ、どのあたりが問題となっているのか見ていこう。
「ショックを受けた」「下品すぎる」と非難の声が殺到
話題の映像が流されたのは、日本時間2024年5月7日深夜に行われた、Appleのイベントだった。そこで発表された新型タブレット「iPad Pro」の紹介ビデオに、注目が集まった。積み上げられた楽器や家電に、天井からプレス機が迫る。
【画像】ギター、ピアノなどが次々と破壊される、Appleのプロモーションビデオ…もはや「残酷」にも思える映像だ(9枚)
トランペットを皮切りに、ピアノやアーケードゲーム機、メトロノームに彫刻、カメラにギターに書籍まで……。ありとあらゆるものが上からつぶされる。プレス機はいったん閉ざされ、ふたたび開き出したと思うと、そこには新型iPad Proが置かれていた。
「ショックを受けた」「下品すぎる」
この動画はティム・クックCEO(最高経営責任者)のXアカウントなどのSNSにも掲載され、「ショックを受けた」「下品すぎる」といった非難の声が殺到した。一方で、「こうした批判は、あまり海外では見られず、日本人を中心に苦言を呈している」といった指摘も相次いだ。
後にも書くが、日本の美徳と、海外のそれはイコールとは限らない。そのため筆者は、なかなか日本人ユーザーの「お気持ち」には反応しないのでは——と感じていたが、意外にもAppleの動きは早かった。
アメリカの広告業界メディア「AdAge」は5月9日、「Apple apologizes for IPad Pro ad that ‘missed the mark’ (AppleはiPad Proの広告を的外れだったと謝罪した)」と題したウェブ記事を掲載し、担当者の謝罪コメントを伝えた。この記事については、日本でも10日、各メディアが報じている。
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