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プロ野球「観客動員」過去最高になるかもしれない コロナから回復、動員率が9割を超える球団も

東洋経済オンライン / 2024年5月12日 12時30分

なぜこんないい加減な入場者数の発表がまかり通っていたのか? それはプロ野球の経営が「親会社恃み」だったからだ。

もともと収支が釣り合うことなど期待していない。有名選手と契約して各地を転戦すれば赤字が出て当たり前。最終的には赤字分を親会社が補填する。

1954年の国税庁通達で、プロ野球球団の赤字を親会社が補填した場合、これを「広告費扱いする」ことになっていたから、親会社の懐もそれほど痛まなかったのだ。

従来のプロ野球経営モデルは限界を迎えていた

しかしそれでも赤字が続けば、球団経営は苦しくなる。2004年に起こった近鉄とオリックスの合併に端を発する「球界再編」は、これまでのプロ野球経営モデルの限界を意味していた。

古田敦也選手会長率いるプロ野球選手会は、「1リーグ10球団」体制になることを阻止するため、ストライキに打って出たが、同時に「球団経営の実態を公開してほしい」と要求した。

このこともあって2004年まで球団の恣意的な発表だった「観客動員数」が、2005年から「実数発表」に統一されたのだ。

恣意的な発表だった2004年の巨人の観客動員は主催69試合で377万4500人だったが、実数発表になった2005年には主催73試合で292万2093人と激減した。

しかし実数発表になったことで、球団、NPBの最新の「経営状態」がわかるようになった。ビジネス的に透明性と健全性が増したと言えるだろう。

巨人と阪神では動員力で少し差がつきつつある

今季の観客動員から、各球団の傾向を見ていこう。(%)は球場のキャパから割り出した動員率。昨%は昨年対比。

阪神 4万1371人(99.9%)昨+0.7%
巨人 3万9676人(93.4%)昨+4.0%
ソフトバンク 3万6344人(96.5%)昨+1.8%
中日 3万2749人(89.9%)昨+8.0%
DeNA 3万2633人(95.8%)昨+1.6%
オリックス 2万9867人(82.9%)昨+10.4%
広島 2万8852人(87.4%)昨+1.1%
日本ハム 2万7271人(77.9%)昨+2.9%
ヤクルト 2万7249人(90.5%)昨-0.7%
ロッテ 2万6259人(87.2%)昨+4.8%
楽天 2万2953人(73.4%)昨+21.7%
西武 2万1852人(70.8%)昨+9.0%

阪神は甲子園、京セラドーム大阪でのすべての試合でほぼ満員になった。動員率は99.9%、これ以上は入らない状態になりつつある。

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