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プロ野球「観客動員」過去最高になるかもしれない コロナから回復、動員率が9割を超える球団も

東洋経済オンライン / 2024年5月12日 12時30分

これに対し東京ドームなどで試合をした巨人は93.4%、これでも大きな数字だが、チケットサイトでは巨人戦は席さえ選ばなければ、直前まで購入できることもある。巨人と阪神では動員力で少し差がつきつつある。

ソフトバンクは巨人を上回る96.5%、ファンクラブを中心としたネット販売が多いのが特色だ。

最近は「閑古鳥が鳴いている」と言われた中日も観客動員が上昇傾向にある。動員は9割に近付いている。

DeNAはコロナ禍の間にウィング席を増設したが、動員率は95.8%に達した。5月6日にはMLBから復帰した筒香嘉智が劇的な逆転本塁打を打ったが、これからチケットをとるのがさらに困難になるだろう。

驚くのがオリックスだ。筆者は京セラドーム大阪ができたときから通っているが、イチローがいた時代でもこんなには観客が入らなかった。第2本拠地のほっともっとフィールド神戸では、2万人が入れば御の字だったが、4月30日、5月1日の試合はともに3万人が詰めかけた。

日本ハムは動員率が劇的に改善

対照的に「カープ女子」ブームでチケットがなかなか取れなかった広島は、昨年あたりからチケットがとりやすくなっている。内野席の一部を自由席にしているが、席が早くに埋まって立ち見になることもあるなど、評判は良くないようだ。

エスコンフィールドHOKKAIDOに本拠地を移転した日本ハムは、動員率77.9%と他球団に比べれば見劣りするが、札幌ドーム最終の2022年は43.6%(64試合118万248人)、コロナ前の2019年でも66.7%(58試合163万5667人)であり、動員率が劇的に改善している。この球場は、夏休みに全国から観客を集める。昨年も夏以降に動員が大幅に伸びたので、今後の進展が期待できる。

ヤクルトは唯一、平均観客動員が昨年を割り込んでいる。リーグ連覇の後、昨年5位に低迷したのが響いたか。球場の老朽化も問題だろう。

ロッテは、コロナ禍以降、上昇傾向が続いている。応援団が牽引する部分が大きいようだ。

昨年中盤まで、1万人台の動員だった楽天だが、球団がマーケティングを強化したこともあり、大幅に観客が伸びている。しかしここも球場の老朽化が目立ち、他球団に比べれば見劣りがするのが課題だろう。

西武も昨年から観客動員を増やしているが、この球場は夏場の高温がネックになりつつある。

動員率が9割を超えた球団のその先

動員率が9割を超えた球団は、飽和状態に近づいていると言える。ダイナミックプライシングなどでチケット代金を上げたり、球場内物販を強化して客単価を上げることだろうが、巨人のように新球場を模索する球団も出てくるだろう。

観客動員が7~8割の球団はまだ伸びしろがある。観客に快適な時間を提供して、いかにリピーターを作っていくかが課題ではあろう。

広尾 晃:ライター

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