5月の日本株は「セル・イン・メイ」ではなく買いだ 世界の中で日本株だけが取り残されている?
東洋経済オンライン / 2024年5月13日 9時30分
あるいは、9日に出た3月毎月勤労統計調査で、実質賃金が前年同月比2.5%減と、過去最長の24カ月連続の減少となったことを嫌気したのだろうか。
さらに、欧州株は強いが半導体株人気が低下している米国株市場で、短期金利の利回りが長期金利を上回る逆イールド状態が続いているのを嫌気したのか。
はたまた、日経平均の予想EPS(1株当たり利益)が3月4日の2387円45銭をピークに、100円以上も低下して来たのを嫌気したのか。兜町は手詰まり感に陥っている。
現在の兜町筋の動向を集約すると、「とりあえず決算発表後のアナリストレポートが出そろうのを待って、マーケットがどんな様子になるか確認してから攻めよう」となっている。
連休前から始まった決算発表は、15日あたりでおおむね終わる。連休後に大量に出たこともあって、今のところ、アナリストたちは決算数字を集めるのに手いっぱいで、ゆっくりレポートを書くことができていない。だが、大半の発表が終わる16日あたりからは続々と出てくるはずだ。
2025年3月期を中心とする各社の今期予想傾向としては、為替を読み切れないことなどから、かなり慎重になっている。例えば、トヨタ自動車の想定レートも1ドル=145円となっている。現在の155円前後とのギャップを、アナリストたちはどう判断するのだろうか。
前回の「5月以降の日経平均を決める最大のヤマ場が来た」(4月29日配信)でも書いたが、日経平均の下値のメドは昨年10月4日の安値3万0526円から今年3月22日の史上最高値4万0888円までの上げ幅(1万0362円高)の「3分の1押し」に当たる3万7434円だ。
4月19日にはこの水準を下回ったために、約1011円という今年最大の下げ幅を記録したわけだが、5月10日現在(3万8229円)では大きく上回っている。しかし、もし再度3万7434円を下回ると弱気派が増え、次は前出の上げ幅の半値押し水準である3万5707円が下値メドとなってしまう。さらにその次は「半値押しは全値押しだ」(昨年10月安値の水準まで戻る)などと、弱気の虫が鳴き出すだろう。
また、移動平均線との総合乖離率で上げ下げのメドを判断すると、チャートに需給のバランスが拮抗する総合乖離(25日・75日・200日移動平均乖離率の合計)ゼロ地点は、5月10日時点で約3万7180円だ。
ただ、筆者はもしこのような波乱があった場合、余裕筋は買えばいいし、十分買ってしまって余裕のない投資家は我慢すればいいだけだと思っている。その証左の1つとして、直近の需給を見ると、財務省の対内証券売買契約(外国人)は2688億円の買い越しとなっている。東京証券取引所の投資部門別でも2159億円の買い越しとなっており、外国人投資家は引き続き日本株を買っているように、流れは変わっていない。
日本株は日柄調整が必要なだけ、5月は売りではない
この記事に関連するニュース
-
相場展望6月27日号 米国株: ハイテク株⇒エヌビディア⇒アマゾンと主役が短期間化に備えを 日本株: 日経平均は急騰⇒反落の可能性が濃い
財経新聞 / 2024年6月27日 11時39分
-
相場展望6月20日号 米国株: NYダウが、ナスダックやS&P500種などの株価指数に一人負け 日本株: 海外投資家が売り転換、証券(自己)も追随
財経新聞 / 2024年6月20日 11時35分
-
7月に日本株のサマーラリーが来るかもしれない 「買い方」vs.「売り方」の攻防戦はしばらく続く
東洋経済オンライン / 2024年6月10日 9時30分
-
日本株復活のカギは円安でなく円高かもしれない MSCIでの日本株比率は1995年の5分の1まで激減
東洋経済オンライン / 2024年6月9日 9時30分
-
相場展望6月6日号 米国株: 労働市場の過熱感薄れ金利低下、エヌビディア効果で株高 日本株: 円高と金利高で「逆風が増す」展開を予想
財経新聞 / 2024年6月6日 10時47分
ランキング
-
1日本に豊田章男氏がいたのは幸運だった…「EV化の真実」を主張し続けた豊田氏が筆者に明かした「真意」
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 8時15分
-
2妻に先立たれた65歳、年金約17万円・おひとり様シニアを襲う<老後破産へのカウントダウン>
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 9時0分
-
3今度はなんのコラボ? マクドナルドのX、次回の「ハッピーセット」のヒント画像公開...期待高まる
J-CASTニュース / 2024年7月4日 16時49分
-
4勢いづく出社回帰 テレワークは消えゆく運命なのか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 6時35分
-
5ソニーが録画用ブルーレイディスク生産終了へ、光ディスクの記録メディアから完全撤退「市場が縮小」
読売新聞 / 2024年7月5日 18時12分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)