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再開発の公園に「おしゃれカフェ」がある深い経緯 南池袋公園、MIYASHITA PARKはなぜ活気があるのか

東洋経済オンライン / 2024年5月14日 11時20分

さて、そんな再開発の中で、とりわけ成功したと言われているのが「南池袋公園」だ。

かつての南池袋公園は、うっそうとした木々に覆われていて、ホームレスのダンボールハウスが立ち並ぶ場所だった。転機が訪れたのは2007年。東京電力が公園の地下に変電設備を建設したいという意向を示し、公園一帯の再開発が行われた。

それから約9年、2016年にリニューアルした南池袋公園は見違える姿になっていた。華々しくリニューアルしたこの公園は、都市再開発の代表的な事例としてメディアなどでも多く取り上げられるほどになったのだ。

カフェ×公園の相乗効果

実際、南池袋公園はどのようになったのか。

このリニューアルの要点の一つが、池袋で人気のカフェ「ラシーヌ」をその中に誘致できたということ。実際、休日などに南池袋公園を訪れると、公園部分も人でいっぱいだが、カフェにも人が多くいる。テラス席も用意されていて、そこもほとんど満席だ。

南池袋公園は、公園の中心に大きく芝生が広がっており、その周辺に子供が遊べる遊具や、テラス席などがある。これらは、直接カフェの売り場ではないのだが、やはりラシーヌのカップを持った人も多くいる。公園に来て、なんとなく話していると、ちょっと口が寂しくなってくる。ちょっとコーヒーやラテでも飲めないか、というところにちょうどよくカフェがあるというわけだ。

逆もまた然り。最初はカフェ目当てで行ったが、カフェのテラス席から芝生でくつろぐ人々を見ていると、なんだか気持ちよさそうに見える。だから、そのまま芝生でごろごろしてみる……そんなことも起こってくる。

南池袋公園を見ていると、カフェと公園という2つの要素がうまく絡み合いながら、まさにWin-Winの関係を作り上げているようにも思えてくる。「カフェ」が1000円以内でだらだらとできる「せんだら」だとすれば、公園もまさに「せんだら」(というより、公園だけの利用なら無料だ)で、この「せんだら」同士の相互作用が、南池袋公園で起こっているようなのだ。

さらにもう一つの事例。

近年の公園建設においてはエポックメイキングともいわれる、渋谷の「MIYASHITA PARK」である。前回、渋谷において滞留できる場所がどんどん少なくなっているという話題を書いたが、渋谷を実際に歩いてみると、特にMIYASHITA PARKの最上階・公園部分には、中高生をはじめとした若年層が多く見受けられる。

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