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再開発の公園に「おしゃれカフェ」がある深い経緯 南池袋公園、MIYASHITA PARKはなぜ活気があるのか

東洋経済オンライン / 2024年5月14日 11時20分

彼らは、芝生やベンチに座って、特になにをするわけでもなく、そこでだらりと過ごしている。

特に中高生たちの座り方を見ていると面白い。本来、建築的な用途では座る場所ではないところに座ったり、寝そべっていたりする。

MIYASHITA PARKにはいくつかのアート作品も展示しており、そのアート作品のところを器用に使って過ごしている人もいた。

そんな彼らの手元によくあるのが、スタバのカップ。ここに入るためのパスポートなのか?と思うぐらいだ。パスポートを手に入れるのは簡単。公園の中央にスターバックスがあるからだ。さすが、スタバはめざとく、このMIYASHITA PARKにもさらりと入り込んできたわけだ。

面白いのは、やはり南池袋公園と同じような相互作用が起こっていること。

スタバは、若い世代にとっての誘引力になる。スタバを目指して公園に行く人もおおいだろう。そこでスタバを買って、公園で過ごす。逆に公園を目当てに来た人にとっても、ちょっと喉が渇いたらスタバに行ってフラペチーノを飲めばいい。そうして、MIYASHITA PARKには人が集まる。人が集まると、なんだかそこは賑わっているように感じて、さらに人が集まってくる。こうした好循環を生み出すことに成功しているわけだ。

カフェの進出を後押ししたP-PFI事業

南池袋公園、MIYASHITA PARKの例からわかるのは、カフェが「公園」を活性化させる一つの起爆剤のようになっている、ということ。もともと、南池袋公園にしてもMIYASHITA PARKにしても、そこはうっそうと木々がはえ、人通りが少ない公園だった。しかし、そこが再開発され、カフェが生まれることで、ある種、好循環を生み出す起爆剤のようになったと言える。

実は、こうしたカフェ×公園の事例は、全国に増えている。

本来は公的なセクターが運営するはずの公園に民間事業者のカフェが入り込むことができたのは、2017年からPark-PFI(P-PFI)事業が導入されたためだ。

この制度によって、公園は民間事業者を公募で集めることができるようになった。そして、公園内に、一般人が魅力に感じるような施設を導入し、本来の公園が果たすべき、「なんとなく、だらだらといられる空間」を作ることに成功している。

東洋経済オンラインの記事ー池袋や渋谷の「公園」で起きている画期的な変化 「南池袋公園」「ミヤシタパーク」はなぜ凄いのかーにて、国際文化都市整備機構(FIACS)理事の松岡一久が指摘している通り、P-PFI事業以前の公園は、公共財として最低ラインの維持と管理を行うというスタンスだった。

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