日本人が続々スペインサッカークラブを訪ねる訳 「ビジャレアルCF」で活動する指導者の視座
東洋経済オンライン / 2024年5月15日 14時0分
今年のゴールデンウィーク(GW)、海外旅行をした人たちは円安にかなり苦しんだらしい。海外では「ラーメン一杯3000円です!」などと報じる番組をテレビでこれでもかと見せられた気がする。
【写真】スペイン一部のサッカークラブ「ビジャレアルCF」で働く佐伯夕利子さん、横浜DeNAベイスターズチームより現地訪問した角田さんら
旅行に行きづらくなるのは悲しいが、それ以上に留学を夢見る若者や海外で学ぼうとする人たちの足かせにならないかと心配になる。
そうした中、このGW中に日本から総勢25名の人たちが、スペイン一部リーグのサッカークラブ「ビジャレアルCF」(以下ビジャレアル)を訪れた。
視察に行くのは、スポーツ指導者に加え、横浜DeNAベイスターズ職員や中竹竜二さん(チームボックス代表取締役)など人材開発やキャリア支援など、ビジネス畑の人たちが多く含まれていた。
目からうろこ「教えない指導スキル」
スペイン東部にあるバレンシア州カステリョン県ヴィラ=レアルを本拠地とし、欧州サッカー界の中でも優秀な育成組織を構築するビジャレアル。人口5万人という小さな町にありながら、昨季(2022–23)リーグ成績は5位。3季前にはUEFAヨーロッパリーグを初制覇するなど成長著しい。
このクラブで指導者としてのキャリアを積み、現在もフットボールマネージメント部で組織の中枢を担うのが佐伯夕利子さんだ。女性として初めてスペインで男子ナショナルリーグの監督を務めたパイオニアといえる。2022年まで4年間Jリーグ理事を務め、サッカー界では知る人ぞ知る存在だった佐伯さんはいまや広く知られる存在だ。
彼女は所属するビジャレアルで2014年から120人のコーチングスタッフやスポーツ心理士とともに、指導改革に着手。手取り足取り教えず、選手自身に考えさせるというスタイルを構築してきた。それは指示命令して教え込むような多くのスポーツの指導とは真逆だ。書籍『教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』でもそれらについては詳しく描いている。
それらはサッカー界を長く知る大人たちにも目からうろこだったと聞く。どうやって教えるか? 自分たちに従わせることばかりに気を取られてきたのに、教えない指導スキルこそが目の前の誰かを成長させるというのだから。佐伯さんから学びたいという声が各所で上がり、Jリーグ理事時代後半のおよそ2年間で180件の取材および講演を実施してきた。
この記事に関連するニュース
-
横浜DeNA・関根、放課後デイ開所へ 現役選手が異例の新規事業チャレンジ
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月23日 5時0分
-
スペインと日本の“大きな違い”とは? 東大サッカー部FW、バルセロナ単身武者修行で受けた衝撃【インタビュー】
FOOTBALL ZONE / 2024年7月20日 8時30分
-
「スタジアムに留まらない賑わいをつくる」 DeNAが進める“スポーツを軸にした街づくり”
財界オンライン / 2024年7月19日 7時0分
-
「ドイツを目指す前にポーランドはベストな国かもしれない。日本人はまず目を向けるべきかも」【 松井大輔が激白】#13
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月4日 9時26分
-
岡崎慎司氏、クラーク記念国際高等学校とFC BASARA HYOGO U-18の提携における記者会見を7月2日(火)に実施
PR TIMES / 2024年6月27日 17時15分
ランキング
-
1メルカリ「フルリモート廃止?」に私が感じたこと 一体感を得るには「ある種の非効率さ」も重要だ
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 11時0分
-
2エリート官僚にトラックドライバーの気持ちはわからない…「長時間労働の禁止令」に運転手たちが猛反発のワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月26日 8時15分
-
3<最低賃金、過去最大増の1054円>それなのにパート、アルバイトから大ブーイングのワケ「扶養控除ライン据え置きはオフサイドトラップ」「賃金はオーストラリアの半分」「政治家の報酬だけは世界トップクラス」
集英社オンライン / 2024年7月26日 18時56分
-
4スキマバイト「タイミー」が上場、27歳社長の素顔 時価総額1000億円超「ユニコーン」に導いた手腕
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 9時0分
-
5RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 19時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください