「バナナの食べ方ひとつ」で"疲れた脳"は回復する 動作を「ゆっくり」にすると、人間関係も変わる
東洋経済オンライン / 2024年5月16日 10時0分
「先延ばし」は多くの人にとって悩みの種です。
「とにかく1分だけやる」「作業をできるだけ小さく分けてやる」「ご褒美を用意する」
「先延ばし」を克服する本や、コツは世の中にあふれていますが、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう!
そんな方が多いのではないでしょうか。
そんな「ずぼら」だけど、変わろうとしている「マジメ」な人のために、禅という新たな視点から行動する技術をまとめたのが新刊『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』です。
著者である禅僧・精神科医の川野泰周氏と経営コンサルタントの恩田勲氏によると、マインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけではなく、「心を勢いづける」モメンタムの要素も多く含まれていると言います。
「締め切り前のレポート執筆」「転職」「結婚」など、心に勢いがあるとき、人は超行動的になります。そんな「心の勢い=モメンタム」を意図的に作り出す方法を紹介いたします。
以下では、「自慈心」について解説します。
マインドフルネスで人間関係まで改善する
「瞑想をするようになって、人間関係が改善した」
「人と衝突することが少なくなった」
そんな声まで、よく聞きます。ここまで挙げてきたように、瞑想の効果はさまざまです。
集中力を取り戻し、創造力を高め、仕事力がアップする。
要するに、すぐ行動できる準備が整う。
これがどうして、人間関係を改善するのでしょうか?
ここには「自慈心(じじしん)」が関わっています。
自慈心とは、マインドフルネスによって養われる 「ありのままの自分を肯定し、慈しむ」 という心のありようで、欧米では「セルフ・コンパッション」と呼ばれます。
近年では心理学的な研究も進められ、セルフ・コンパッションが高い人はさまざまな疾病のリスクが低いこと、そして「幸せである」という感覚が増大することが明らかになっています。
自慈心を理解するため、もう一度、瞑想についておさらいしましょう。
集中するだけが瞑想ではない
瞑想は「今、この瞬間」の感覚に意識を向けることから始めます。
これにより、マインドワンダリングは止まり、私たちの行動を妨げるネガティブな想念もリセットできる。
自然に、心がポジティブになる。
ここまではおわかりいただけたと思います。
しかし、マインドフルネスには、その先があります。
私も会員として所属する日本マインドフルネス学会は、マインドフルネスを次のように定義しています。
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