「爆破予告者」の犯人像と日常生活における注意点 いたずらでは終わらず甚大被害を及ぼすケースも
東洋経済オンライン / 2024年5月18日 11時20分
2009年、財津亘氏による調査研究「最近10年間の爆破予告犯罪における犯人像の分析」によれば、警察資料・ネット・新聞を基に、1999年から2008年6月までに発生し検挙された80名の事件情報を収集し調査した結果、電話および電子ツール(ネット掲示板や電子メール)を使用して爆破予告を行った犯人の動機は以下の表のように示された。
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電子ツールによる爆破予告では、電話に比べていたずら目的の動機で大きく差分が出ていることがわかるほか、金銭目的の部分でも大きな差分が確認できる。
また、犯人像について、電話および電子ツールを使用して爆破予告を行った犯人の犯罪歴や爆破予告対象との関係でも顕著な傾向が見て取れる。
さらに、電話および電子ツールを使用して爆破予告を行った犯人の年代は以下の通りだ。
電子ツールによる爆破予告では、20代以下が87%を占めている。その傾向は直近の検挙事例とも概ね一致する。
本調査研究は今から15年前のものであり、現在と社会情勢やSNSの普及など犯行予告に使用できるツールの違いも大きいことから、あくまで参考にとどまるが、本研究が示す傾向は興味深い。
そこで、筆者が、公開情報に基づき最近5年間(2020年~2024年5月現在)における電子ツール(SNS、ネット掲示板、HP問い合わせフォーム への連絡、電子メール、インターネットFAX送信サービス)を利用した爆破予告の検挙事例19件を確認したところ、前述の傾向を示す類似の内容が確認できた。
・犯人の年代は、20代以下が84%を占める
・ 全て「憂さ晴らし」「いたずら」「逆恨み」の動機によ
・ 犯人と犯行予告対象との関係について、84%が関係なし
なお、参考ではあるが、同期間で電話・手紙を使用した爆破予告は15件確認でき、その内容は以下の通り。
・20代以下の犯行は13%、13件は全て30代~60代であった。
・「憂さ晴らし」「いたずら」「逆恨み」の動機によるものであるが、具体的な対象への「恨み」が散見された
・犯人と犯行予告対象との関係について、73%が関係なし
犯罪意識の欠如と爆破予告の手軽さ
ネットが普及する前の犯行予告は、電話や手紙による手法が一般的で、 “足がつきやすい ”ため、その犯罪意識に一定程度の強度があったわけだが、ネットの普及に伴い、掲示板やメール、SNSなど“気軽”に犯行予告が行えてしまう土壌が生まれた。
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