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「ランクル250」超絶値上げと納期遅延の裏事情 全ユーザーに優しいトヨタであってほしい

東洋経済オンライン / 2024年5月18日 11時40分

VXのガソリン車同士では、250が545万円で300は630万円と、85万の違いがある。しかし、250は4気筒2.7リッターで300は3.5リッターツインターボだ。

250の2.7Lガソリンにはターボが装着されず、最高出力163馬力(5200回転)、最大トルク25.1kgm(3900回転)に留まる。しかもATが6速だから、2240kgの車両重量に対してパワー不足が著しい。推奨しにくいエンジンだ。

そうなると250で選ぶべきエンジンはディーゼルに限られ、一般的な選択はガソリン車と同価格のVXの(630万円)か、ZXは(735万円)となる。250のディーゼルは価格が割高で、買い得度で300に負ける。

値上げを許した原因は「納期遅れ」に?

また最近は、前述の通りランドクルーザーシリーズの人気が総じて高い。生産が受注に追い付かない状況も生じているから、250の価格が割高になっても、販売に大きな支障はないだろう。これも大幅値上げを許した原因と考えられる。

同様の状況は、新型のレクサス「GX」と「LX」にも当てはまる。GXは、ランドクルーザー250から発展した悪路向けの上級SUVで、エンジンは250とは異なり、V型6気筒3.5リッターのガソリンツインターボを搭載する。このエンジンはランドクルーザー300、これをベースに開発されたレクサスLXと共通だ。

つまりレクサスGXとLXは、ランドクルーザーの250と300以上に、類似性の強い間柄になる。「GX550オーバートレイル+」の価格は1235万円で、「LX600オフロード」は1290万円。この2車種も価格が接近しており、最近のトヨタの悪路向けSUVは、レクサスを含めて価格が割高になったといえる。

販売店も困っている「ランクルが買えない」状況

ランドクルーザーに話を戻すと、価格が割高なうえに商品の供給状況もよくない。2024年5月上旬時点で複数の販売会社に問い合わせると、「現時点でランドクルーザー250の生産枠は2025年度分(2026年3月分)まで埋まり、受注を停止している」と言う。

しかも「次の受注開始時期は未定で、再開を待つお客様も多いから、250をいつご購入いただけるかはわからない」とのこと。さらに「ランドクルーザー300も、以前から受注を停止しており、この再開時期も不明」としている。

前述のようにランドクルーザー300は、250よりも買い得感がある。そこで250を諦めて300を買おうとしても、今は注文ができない。さらに、ランドクルーザー70も「今は受注を締め切っており、この再開時期も不明」とコメントした。

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