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「ランクル250」超絶値上げと納期遅延の裏事情 全ユーザーに優しいトヨタであってほしい

東洋経済オンライン / 2024年5月18日 11時40分

要は、ランドクルーザーシリーズが非常に購入しにくい状態だ。これではユーザーから見れば、車種が存在しないのと同じ。むしろ、存在を知りながら買えないのだから、欲求不満も溜まってしまう。

その一方でランドクルーザー250は、2024年5月上旬時点であれば、サブスクリプション(定額制カーリース)のKINTOを使うと手に入るとのことだった。KINTOによる納期は、ガソリンエンジンが5~8カ月、ディーゼルは6~9カ月という。

KINTOはカーリースだから、販売と別枠になるのは理解できるが、不可解に感じるユーザーもいるだろう。なぜならKINTOでは、リース契約期間満了後の買い取りができず、自分の所有物にする「購入」は不可能だからだ。

KINTOには制約も多く、走行距離が規定以上に伸びたり、ペットや盲導犬の同乗によって車内にニオイが付いたりすれば、原状回復の費用を請求される。喫煙も禁じられ、常に「クルマを借りている」意識で使わねばならない。

このように「購入はできないがKINTOなら使える」状態は、ユーザーにとって悩ましい。販売店からも「KINTOでは1年以内に納車され、購入では受注開始の時期すらわからないのは、お客様にとって不公平だと思う」という意見も聞かれた。

ユーザーのために「不公平」を是正せよ

当然、買えない状態が長く続くから、ランドクルーザーシリーズは、中古車価格も高騰している。2024年5月上旬時点で、ランドクルーザー250の中古車はまだ存在していないが、300は200台以上が流通している。

その価格は高く、ガソリンエンジンを搭載するZXは、新車価格が730万円なのに1.6倍以上の1200万~1400万円がつく。ランドクルーザー70も、現行モデルの新車価格480万円に対し、2倍以上の1000万円に達する。

この中古車価格は、転売に基づいて価格を吊り上げる業者に問題があるが、そもそも納期遅延が生じなければ希少性も生まれず、中古車価格も高騰しない。ランドクルーザーシリーズの中古車価格が高騰した発端は、新車の納期遅延や受注停止にあるといっていい。

トヨタは日本を代表する一流企業で、その影響は多岐にわたる。ランドクルーザーの中古車価格もそのひとつで、価格高騰は中古車市場の混乱を意味する。非常に購入しにくい中で、KINTOならば手に入るようにするのは、販売店の指摘通り「不公平」と受け取られるだろう。

すべてのユーザーに優しいトヨタであってほしい。

【2024年5月20日19時51分追記】ランドクルーザーシリーズの受注や購入状況について、一部の記述を修正しました。

【写真】ランドクルーザー250/300/70を改めて見る(47枚)

渡辺 陽一郎:カーライフ・ジャーナリスト

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