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投資初心者の9割が陥る「高配当株」選びの5失敗 優良企業でも「なんとなく買う」と損することも

東洋経済オンライン / 2024年5月20日 8時30分

スリーエム自体は素晴らしい企業ですが、売上や利益が伸びないまま投資家の評価が低くなり、さらに利益が大きく上がっていないのに連続増配や自社株買いを続けることによって配当の安全性も年々低くなってきています。

このように、業績頭打ちの状況で何か利益を減らすようなイベントが起こると、株価は大暴落し、最後は減配してしまうことがあります。

そのため、私としてはどんなに成熟した企業でも売上・営業利益・最終利益が少しでも前年を上回るように推移している方が望ましいと考えています。

借り入れの返済能力があるか

注意点② 借り入れが多く利払いが利益を圧迫している

財務状態の悪化も見過ごせません。借り入れ=利息の付いている借金のことを有利子負債と言います。この有利子負債が多い企業ほど株価下落のリスクがあります。

特に近年は世界中の国でインフレを抑えるために金利高が続きました。米国は2022年から23年の夏までに1年半で0%から5%に政策金利を引き上げてようやく止まりそうな気配に。日本も長らく続いたゼロ金利政策を修正する流れになっています。金利が上がると企業が抱える借金の利息も上がりますので、それが利益を圧迫します。

高い配当を出す企業は、ただでさえ企業の外に出ていくお金が多いので、さらに負債の負担まで増えると株価下落のきっかけになります。

ただ、借り入れが多いこと自体は必ずしも悪いことではありません。借金をしてまでも会社の事業を伸ばすチャンスなのであれば、借り入れが必要な時もあります。

ただし、さほど業績が変わっていないのに借り入れが増えている場合、事業が苦しい可能性もありますので注意が必要です。

その有利子負債が本業の収益の何年分に相当するか見るのが「有利子負債倍率」です。

有利子負債倍率は次のような計算式になります。

有利子負債倍率=(有利子負債-現預金)÷(営業利益+減価償却費)

この指標は借金の返済能力を表しており、倍率が低いほど返済能力があり余裕があるということです。

業種によって違いますが、個人的にはこの有利子負債倍率は1倍未満が望ましいです。もし今すぐ借金を全額返さなくてはいけなくなっても、理論上は手元資金の方が多ければ返済能力があると言えるからです。

利回りの高さだけで投資判断をしない

注意点③ 異常に高い配当利回り

配当利回りが異常に高い場合も注意が必要です。配当利回りの計算は次の通りです。

配当利回り(%)=配当金額÷株価×100

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