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ロールス・ロイス初BEV「スペクター」にある安心感 BEVになっても変わらない信念と乗り味だった

東洋経済オンライン / 2024年5月20日 11時0分

ロールス・ロイス「スペクター」(写真:三木宏章)

ロールス・ロイス初のBEV(電気自動車)として誕生した「スペクター」に日本の公道で試乗する機会を得た。もっとも感心したのは、BEVになってもロールス・ロイス像を少しも崩していなかったことだ。スピードメーターの左側にあるパワーリザーブメーターは、内燃機関モデルと同じくアクセルペダルを1mm踏み込むごとに1%ずつ敏感に、そして正確に反応する。

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もっとも「1mmで1%」は筆者の操作イメージだが、それほど滑らかに3tに迫ろうとする巨体は微かに増速する。しずしずとドライバーの意を汲みながら走る、これが筆者のこれまでに体感してきたロールス・ロイスなのだが、スペクターは見事なまでにその相似形であった。BEVだからなにか新しい機構を採り入れるべきだとか、内燃機関で培ってきた概念を覆すなにかを無理に詰め込んだりすべきだとか、そういった“あるべき論”が一切ない。

初のBEVもオーダー状況は順調、新たな顧客層も獲得

もっともこれを“頑な”と捉えるか、良いものはひとつであるとする“哲学”と受け取るかはユーザー次第だ。しかし、少なくともスペクターはこれまでのロールス・ロイスユーザーから好意的に受け止められ、さらに30~40代の若い、そして新しいユーザー層の獲得にも成功した。その証しとして、すでに2025年までのオーダー枠が埋まっているという。

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ちなみにスペクターの日本における価格は4800万円からだが、そこから追加料金を支払うビスポーク(≒細やかな注文装備)として、ユーザーだけのオリジナルモデルを創り上げる購入者が多いという。スペクターでは、ロールス・ロイスとしてはじめてデジタル領域までビスポークを拡げ、たとえばTFT液晶画面の文字盤色を、車内外のカラーリングとマッチさせることも可能になった。

ロールス・ロイスは世界屈指のブランドだが、驕り高ぶるところがないとも称される。たしかに本国発信のプレスリリースを読んでも数字だけで誇張することはなく、実現している世界観の裏付けを、最小限の数字で補足するというスタンスが貫かれている。

スペクターの運転席に乗り込む

「エフォートレス・ドア」と名付けられたコーチドアは、2ドアモデルのスペクターの場合、通常のドアとは逆の位置にヒンジ式がくるので、ドアはご覧のように開閉する。アルミ製のドア長は約1.5mあるため開閉場所には注意する必要があるが、開け閉めそのものは電動アシスト機能があるため操作性は高い。

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