社会保障拡充に協力的な財界と反発する労働組合 子育て支援金をめぐる日本の摩訶不思議な現象
東洋経済オンライン / 2024年5月20日 8時0分
私が、発言の中で「十倉議員と同じ話になるのだが」と論じていた十倉雅和諮問会議議員、経団連会長は次の発言をする。
公平・公正は歳出改革だけではできない
(十倉議員) ・・・今、権丈先生が非常に意義深い、意味の深いご発言をされた。私はそれほど上手く言えないのだが、岸田総理が掲げている新しい資本主義は、歴代の経済政策と何が違うか。やはり成長と分配の好循環、分配という言葉を入れたところだと思う。そして、権丈先生が言われるように、分配を一番具現化するのは社会保障であると思う。
今の若年層がなぜ結婚しないか、なぜ子供を持たないか。可処分所得が少ないというのもあり、それは大きな部分であるが、やはり将来不安がある。将来不安は何か。将来不安というのは、少子高齢化が止まらないこと、そして、日本の財政問題が大丈夫かということ。この2つを同時に象徴的に表しているのが社会保障制度である。だから、何回も何回も同じことばかり申し上げて申し訳ないが、全世代型社会保障改革は中長期の視点で、大きな改革の絵姿を示したうえで進めることが絶対に必要だということを、経団連としては言い続けている。
歳出改革はもちろん大事であり、まず実行しなければいけない。しかし、公平・公正の話は歳出改革だけではできない。やはり給付と負担のバランスをどう考えるかということが非常に大事になってくる。高齢者も含めた全世代での応能負担の徹底、マイナンバーを活用して、給付と負担をしっかり行う、これが非常に大事である。そのうえで、われわれ企業は応分の負担をするのはまったくやぶさかではない。
私も、十倉氏の言う、「将来不安」が若い人たちの人生選択に影響を与えていると考えており、「公平・公正の話は歳出改革だけではできない」と思う。なお、十倉氏は、1月の諮問会議で、賃金のサブシステムの話もされている。
◆2024年1月22日経済財政諮問会議議事要旨より
(十倉議員)・・・成長と分配の好循環の分配とは、単に賃上げだけを意味するものではない。先日、この経済財政諮問会議の場で、全世代型社会保障構築会議の権丈先生がおっしゃっていたように、社会保障政策には再分配の機能もあり、賃金システムを補完するサブシステムとして、税と社会保障制度の一体改革が必要だと考える。繰り返しになるが、若年世代を中心にある、国民の漠とした将来不安の払拭に向けて、今後の人口減少を踏まえた全世代型社会保障制度の構築が急がれる。
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