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お金持ちとは本当に"うらやましい人生"なのか 「FIRE」の流行から数年たって改めて考える

東洋経済オンライン / 2024年5月21日 11時0分

お金持ちになれば、幸せになれるのだろうか? 自分は何にお金を使っているときに一番心が満たされるのか、改めて考えたい(写真:8x10/PIXTA)

ネット上には「お金持ちになるには」「お金持ちの思考や習慣」というタイトルの記事や書籍が溢れている。

書店に行っても、同様のタイトルの本がこれでもかと並ぶ。かくいう筆者も、そうしたテーマで執筆することも少なくない。

しかし、最近思うのだ。お金持ちになると、それほど幸せなのだろうか? 不労所得を手にし、経済的自由を得れば「上がり」なのだろうか? 資本主義は永遠に栄えていくのだろうか。そもそも、どうして我々はお金持ちになりたいのか。その真理を解きほぐしていくと、もっと違う幸せへの扉が見えてくるかもしれない。

「FIRE」生活は幸せなのか

私たちは、持っているお金が減っていくことに不安と恐怖を感じる。これはマーケティング手法でよく耳にする「保有効果」の罠かもしれない。人間は一度手にしたものや権利に対して、本来以上の価値を感じ、手放すことが惜しくなる。もし手放せば、その損失が与える痛みは大きく、かつ不安になってしまう。

とはいえ、お金は使うためにあり、何もしなければ減るのは仕方ない。それを解決する手段として、数年前から「FIRE」が流行った。「Financial Independence, Retire Early (経済的な自立と早期リタイア)」を縮めた言い方で、一定の元本を貯め、それを資産運用して残高をキープし続け、働かなくても暮らせる生活を目指すというもの。

実現にはまず25年分の生活費を貯めるところから始まる。年間300万円かかるなら7500万円だ。それを年利4%で運用できれば元本を減らすことなく、生活費を賄い続けられるという理屈だった。一時はこの「FIRE」こそ、幸せへの扉と思われたものだ。

しかし、この考え方だと最初に決めた生活費以上に贅沢はできない。たとえ運用が順調でも、この先も4%で回していけるかはわからない。一見うらやましいFIRE生活を実現したとしても、使えるお金には縛られるし、つつましく節約生活をしていくことになる。

金持ちになればなるほど生活コストが増える

そう聞くと、それはイメージするお金持ちの生活ではない、高級ブランドショップや会員制レストランの常連となり、住まいはタワマン最上階で、休暇は当然海外、それも優雅にクルーズ旅行でないと――といった声が聞こえそうだ。

確かに、それが他人の財布から出たお金で実現するなら幸せだが、我が家のお金から出すとなると微妙な心境になる。

お金持ちになると、100円ショップ、業務用スーパーやドンキに行くことは減るだろう。食材を日常的に高級スーパーやデパ地下で買い、子ども服もブランドショップメインでそろえるかもしれない。それだけでも、生活コストがとてつもなく高い。

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