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星野源を語る2つの文章に見える冷静と情熱の間 「読むラジオ」と見立てAMとFMを使い分けよう

東洋経済オンライン / 2024年5月23日 14時0分

エンタメ系トップブロガー「かんそう」さんが、人に刺さる文章の書き方をご紹介します(写真:jessie/PIXTA)

人に刺さる文章を書くにはどうしたらいいでしょうか?

その1つとしてご紹介したいのが「自分の中にある情熱と冷静をコントロールする」という考え方。エンタメ系トップブロガー「かんそう」さんが培ってきた文章にまつわる「考え方」「書き方」をまとめた著書、『書けないんじゃない、考えてないだけ。』から一部抜粋、再構成してお届けします。

鳥が大空を羽ばたくような「AMの文章」

私は自分のブログの文章と他媒体での文章では、大きく文体を変えています。そのときに重要なのが「文字から声が聴こえるか」です。

書きながら必ず声に出して読んでみる。さらにそれを録音し、イヤホンで繰り返し聴く。そうすることで文章と自分が一体となり、この内容にはどういう言葉遣いや句読点のリズムで書けばいいのかが、驚くほど鮮明になってくるのです。この技法にあえて名前をつけるなら「読むラジオ」。

そして、その内容によってチューニングを高校の部室を覗くようなニッチで濃い話をするAMに合わせるか、老若男女が安心して聴ける話をするFMに合わせるか使い分けています。

他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられるのだから。

例えば、私は自分のブログ「kansou」では昔からの読者に楽しんでもらうために、語りかけるような口調で書き進めることが多いです。

まずは、「AMの文章」をご覧いただきましょう。

私は一重でくせ毛のやせ型の男なのですが、他人から「星野源に似てるね」と言われることが多々あります。

それを素直に褒め言葉として捉えられると良いのですが、私自身自分のビジュアルが全く好きではないのと、星野源の音楽の大ファンであるという理由から、その言葉に対して強い反発を覚えてしまいました。それを綴ったのが、以下の文章です。

「一重でくせ毛のやせた男」あるあるで、初対面の人間に「星野源に似てるね」ってめちゃくちゃ言われるんですけど、俺はもう限界だよ。

生まれたときから常に一重でクセ毛のやせた男である俺は「星野源に似てる」って言われて嬉しかったこと一回もない。心の底から1ミリもなりたくねぇんだよ。

俺がな、いま一番なりたいのは「King Gnu常田」一択なんだよ。「君はまるで常田だね」と言われた時点で俺はその場で海になるほどの大量の嬉し涙を流す。

でも、無理なんだよ。目が鼻が口が体格が髪質が、俺という人間を形成する全ての要素が「お前は常田ではない…」と囁いてくるんだよ、俺は天地がひっくり返っても常田にはなれねぇ運命を背負ってるんだよ、だから歯食いしばりながら必死に星野源やってるんだよ。

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