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「女子高生に扮したおじさんの恋」にグッときた夜 NHK「VRおじさんの初恋」が名ドラマである理由

東洋経済オンライン / 2024年5月23日 19時0分

主人公で現実世界の直樹を演じる野間口徹(画像:NHK『VRおじさんの初恋』公式サイトより)

「はじまりがあれば終わりは必ずくる」は、NHKの夜ドラ『VRおじさんの初恋』(NHK総合毎週月曜~木曜22時45分~23時)のセリフである。

【写真】おじさんが扮した“可愛すぎる女子高生”

「夜ドラ」は名作が続々生まれている注目の枠で、『VRおじさん〜』もひそやかな夜の楽しみにうってつけ。今週最終回を迎えるにあたり、おそらく寂しさとともにどんなふうに終わるかワクワクしている視聴者も多いことだろう。

※以下、物語のネタバレを含みます。

女子高生に扮したおじさんが恋をした

同作は長らく生きてきて成功体験と言えるものがない、40代のおじさん・直樹(野間口徹)がVR――Virtual Reality(「仮想現実」)の世界にハマって、そこで出会った人に恋をする物語だ。

原作は暴力とも子の描いた漫画で、すでに完結しているから、最終回はわかっているといえばわかっている。だが、とかくドラマは原作とは違うところがあるものなので、予断を許さない。終わりよければすべてよし。なにごとも最終回が肝要だ。ここでは最終回を前に、この名作の魅力を振り返ってみよう。

『VRおじさんの初恋』の肝は、“現実の世界”と“バーチャルの世界”をどうとらえるかにかかっていると思う。直樹は現実の世界では、いわゆる“イケおじ”(イケてるおじさん)ではなく、むしろ冴えないおじさんである。会社では目覚ましい活躍など皆無なうえ、遅刻しがちで上司に目をつけられ、希望退職者候補になっている。女性とつき合ったこともない。

年齢的にも状況的にも、もはやワンチャンに賭ける可能性も見いだせそうにないところへさしかかっている直樹は、夜な夜な自室でゴーグルを装着し、仮想現実「トワイライト」の世界を楽しんでいる。そこでの直樹のアバターは女子高生・ナオキ(倉沢杏菜)。

ただ、属性が変わったら社交的になるかといえばそうではなく、VRの世界でも誰ともかかわらず寂しさに浸るのだ。でも、VRの世界では何にも縛られず、たとえ一人だったとしても誰を気にすることもなく、自由に過ごせる。

だが、この癒やしの世界はもうすぐサービスが終了してしまう。最後のときまで楽しもうと思っていたところ、ホナミ(井桁弘恵)という美少女が現れる。妙にナオキにつきまとってくるホナミに、最初は戸惑っていたナオキだが、自分のことを「すてき」と肯定してくれたホナミに、瞬く間に心を許していく。いや、いつしかすっかりホナミに心酔してしまう。

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