実はトレンド把握に使える「微分」簡単理解のコツ 東大生が解説、さまざまなところで活用されている
東洋経済オンライン / 2024年5月23日 10時0分
数学を使って世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は「微分とは何か」について解説します。
リアルタイムで更新される「X」のトレンド
多くのユーザーが使用するSNS「X(旧ツイッター)」には、「トレンド」という機能があります。スマートフォンのアプリでXを開き、検索アイコンを押すと表示されるもので、「日本のトレンド」「東京のトレンド」というように場所がカスタマイズされているものもあります。
中身は、「PayPay」「ひたちなか」というように特定の名称を指すものもあれば、「#オンライン飲み会」などハッシュタグ化されているものもあります。このトレンドはリアルタイムで更新されているため、アプリを起動したタイミングで表示されるものはつねに移り変わっていきます。
この「トレンド」は、どのように定められているのでしょうか。Xのサイトには、
トレンドはアルゴリズムによって決定され、初期設定では、フォローしているアカウント、興味関心、位置情報をもとにカスタマイズされています。ここ数日や今日1日で話題になったトピックではなく、今まさに注目されているトピックが選び出されるため、Twitterで盛り上がっている最新の話題をリアルタイムで見つけることができます。(Xヘルプセンターより引用)
という説明があるものの、明確な基準となる数値などは公開されていません。が、どういう仕組みなのか、推測してみましょう。
このトレンドの話を聞いた際に、「ポスト数(そのワードが投稿されている数)」を考えればよいのではないか、と思った人も多いでしょう。多くの人が投稿している、何回もそのワードを投稿しているという状態は、そのワードが流行している、という事実とリンクするはずと考えるのはとても自然なことです。
しかし、それでは実は問題が起こってしまうのです。例えば、1日に世界中で投稿されたポストが合計で10億個存在したとします。その中で、ポストの中に多く含まれていたワードを順番にトレンドにした場合、どのようになるでしょうか。
おそらく、「今日」「天気」「楽しい」「面白い」「グルメ」「ランチ」というような、日常生活に即したワードばかりがトレンドに並ぶことになってしまいます。多くの人がつぶやいている言葉を把握することはできますが、これでは「流行りをキャッチする」とは言えません。
大事になるのは「変化量」
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