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北大阪急行電鉄「箕面延伸」はこうして実現した 地元待望、大阪メトロ御堂筋線と一体直通運転

東洋経済オンライン / 2024年5月24日 6時30分

山並みを前にした箕面萱野は既成市街地

あたりの地形は千里側から上がって萱野側に下る、ゆるやかな尾根だ。したがって付近は市境となっており、南は豊中市、北は駅名からもわかるように箕面市である。駅に隣接して箕面市の文化施設があり、地下と直結した長いエスカレータで劇場玄関前の歩行者デッキと結ばれている。駅の残工事と並んで大規模に敷地が掘り下げられているのは、タワーマンションの基礎工事であった。劇場や図書館のさらに隣に大阪大学箕面キャンパスがある。

箕面船場阪大前を出ると、最後は地上区間となる。新御堂筋は萱野に向けて下るが、線路は逆に登り続けて道路脇の高架線に上がる。千里中央以南では遠かった箕面の山並みが目の前に迫っている。その山に突き当たる場所に箕面萱野駅はあり、駅と道路を挟んで数棟のショッピングモールが建ち並び、左右をまだ工事中の歩行者デッキが結んでいる。1面2線だが、ホームはフラットに正面の駅舎改札口を経てデッキとショッピングモールにつながっている。高架下にも改札口があり、新御堂筋の側とバスバースを含む交通広場(現在、工事継続中)にアプローチする。

正直、北急の延伸計画を聞いた段階では、ハハァ、山を拓いたニュータウン開発路線だろうと早合点していた。ところが現地を訪れてみると、箕面船場阪大前はオフィス街であり、箕面萱野は一面に市街地が広がっている。

そこで箕面市役所と北急本社を訪ね、市の姿と延伸について知識を仕入れた。箕面市は大阪府の平野部北端に位置しており、市役所は阪急箕面線の牧落駅からほど近い場所にある。承知のとおり、阪急箕面線は現阪急が箕面有馬電気軌道として創業した当初の終点の1つで、今も箕面温泉や箕面大滝の名が知られる一方で、早くから電車で都心とつながる郊外住宅地として歩んできた。したがって阪急箕面線沿線が最も早くから開けた地だが、そこは市域の西端であり、市街地は山裾を東へ東へと広がった。

発展の大きな契機となったのは、1960年代に開発された千里ニュータウン(吹田・豊中市域)で、阪急千里線が1967年3月に北千里まで延伸された。次いで阪急両路線の間に北急が千里中央と万博に延びた。北千里や千里中央が結節ターミナルとなってバス路線網が巡らされ、萱野や新船場あたりがどんどん発展していった。だから、今回の延伸区間の車窓は、意外なまでに既成市街地ということになる。

南北に集中して東西が弱かった箕面のバス路線

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