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「大規模アイスショー」が人気を獲得した独自性 「ファンタジー・オン・アイス」は他と何が違うか

東洋経済オンライン / 2024年5月24日 8時0分

スケーターとアーティスト双方が主役の自覚を持ち、パフォーマンスを高め、リスペクトしあって力を出し切る。そこから、異分野共演ならではの感動が生まれる。

アーティストへのオファーは、「まずは誰もが知るヒット曲を持つ方、そして優れた歌唱力をお持ちの方にも出演していただきたい。近年は、今後ますますの活躍が期待される若手アーティストにも出演してもらっています」(真壁社長)。

コラボ曲は多くの観客の記憶に残る過去のヒット曲から新進気鋭の若手の曲まで幅広い。

会場や映画館でのライブビューイングには、出演アーティストのファンで「フィギュアスケートを見るのは初めて」という人も少なからず訪れる。ショーの後にはSNSで、アーティストのファンがフィギュアスケートの魅力を、フィギュアスケートファンがアーティストの魅力を語るなど、エール交換のような交流が行われることもある。

進化するコラボレーション

スケーターとアーティストが一緒に練習する時間を必ずしも豊富に取れるわけではないが、時間的な制約の中での進化も魅力の1つだ。公演を重ねるにつれスケーターとアーティスト双方のパフォーマンスが磨かれ、音楽とスケートがより調和していく。

「誰に言われるでもなく、互いにコミュニケーションを取って振り付けを合わせてきたりもするんです。一度本番を迎え、会場の熱気やスケーターの本気の演技との化学反応を体感することでアーティストのテンションも上がっていく。初日の演技後にはお辞儀をしあっていた2人が、次には握手をし、それがもっと力強くなり、最終日には抱き合ってお互いを称えたりもします。表現者同士のエネルギーがぶつかり合って特別な空間になります」(真壁社長)

初日の緊張感、それがこなれていく過程、最終日の盛り上がりまで、同じ曲でも異なる演技になる。ファンからは全公演の映像を見たいという声も上がり、ほぼ同じプログラムの公演が、公演日ごとにCSなどで放送される場合もある(有料放送を中心に再放送も盛んに行われている)。

空中と氷上を行き来する「フライング」演目も

コラボ演目だけではない。あらかじめ用意された音源を用いるプログラムも多数あり、現役選手からベテランまで、個性を生かしたプログラムを演じる(写真ページ参照 )。

さらに近年は、メリー・アゼベドさん&アルフォンソ・キャンパさんによるフライング・オン・アイス(ロープを使って宙に浮かび上がり、空中と氷上を行き来しながらアクロバティックな演技を披露する)にも感嘆の声が上がる。

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