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マイクロソフトがAI搭載「Copilot+ PC」投入の意 ライバルは「MacBook Air」、新たに始まるPC競争

東洋経済オンライン / 2024年5月25日 11時40分

Recallがどのくらい実用的なのか、現状では判然としていない。発表イベント会場でも短時間試すことはできたが、蓄積されていた情報はごく少ないものだったので、なんとも判断がつかない状況だったからだ。

とはいえ、Recallの考え方自体は非常に面白く、画期的なものだ。同じような機能を実装する試みが過去になかったわけではないが、WindowsというメジャーなOSにコアな機能として搭載されるのは大きな変化と言える。

一方で、こうした機能を考えるとき、誰もがプライバシーや機密保持を気にするだろう。PC上の作業が記録されていくということは、PC上の操作をのぞかれているような感覚を持つからだ。

ここで重要になってくるのが、Copilot+ PCの持つ「オンデバイスAI」という特性である。

オンデバイスAIとは「機器の中だけで動作が完結するAI」という意味だ。ChatGPTは賢いAIだが、処理はネットワークの向こうにある「クラウド」で行われている。処理のためにはデータをクラウドに送る必要があり、ここにプライバシー保護上の弱点が生まれる。

だがオンデバイスAIの場合、処理は機器の中で完結するため、情報はクラウドに流れない。Recallの例で言えば、どんな作業が行われていてどんな画面が写っていたかは、あなたとあなたのPCしか知らないわけだ。

実はこれには落とし穴もあって、オンデバイスであるかクラウドであるか以上に「サービスが情報の扱いをどう設計するかでプライバシー要件は変わる」というのが正しい。

ただ少なくともRecallについて、マイクロソフトは「プライバシーに関わる情報は収集せず、AIの学習にも利用しない」と明言しているので問題はないだろう。もちろん、記録されたくないときは止めることもできる。

重要なのは、プライバシーを保持するためにオンデバイスAIが必要、とマイクロソフトが判断したということであり、そのためにはPCが使っているプロセッサーにも新しい機能が必要になる、ということだ。

オンデバイスAIをWindowsの一部に

RecallはCopilot+ PCが持つ機能の1つに過ぎない。

マイクロソフトはCopilot+ PC向けのWindows 11に「Windows Copilot Runtime」というレイヤーを設けた。

これは簡単に言えば、オンデバイスAIを扱う40以上のAIモデルをまとめ、PC上で使えるようにする仕組みだ。

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